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「大変申し訳ありませんが私は本当に記憶を失ってしまっています


お役に立てなくて面目ないです」







目を伏せて答える



こればかりはいくら敬愛しているお館様でもお答えすることはできない



真実を言おうものなら私はA様の手によって殺されてしまう







「…真澄 私たち鬼殺隊は鬼から尊い人間の命を守らなければならない」




「承知しております」






そんなこと嫌という程分かっている




けれどそれとこれでは話が違うのだ




私が記憶を失ったと嘘をついて亡くなる人はいないけれど私が真実を答えれば私の命はなくなる




そんなの言えるわけがないじゃないか




人間は貪欲で自分の命のためなら何だって出来るんだ




私はそれを悪い事だとは思わない




みんなが皆 綺麗事を掲げて生きていけるほど強くはないんだ




お館様に何と言われようと私は絶対に口を割らない




そんな覚悟はとうの昔に決めている







「私たち鬼殺隊が守らなければならない存在は君のことでもあるんだよ 真澄」






守らなければならない存在




すなわち 尊い命には私も含まれている?




よく理解できない




私は尊い命を守るために鬼殺隊として鬼を討伐しているわけであって私の命が尊いものであるわけじゃない





「君が記憶喪失の演技をしていることには理由があるんだろう



この場には誰も君を責める者はいない



どうか本当のことを言ってくれないかな」





チラリと柱の皆さんを見れば嘘をついて騙していたにも関わらず私に冷たい視線を送ることはせず ただ私の答えを待っていた




私の記憶があることに驚いてはいたものの誰も私を責めようとしてこない




…伊黒さんはネチネチ言ってたけど




________ それでも私は






「…い、いえません」





本当は言いたい



真実を全て伝えたい



私は鬼に関する多くのことを知っている



私が全て言えば鬼殺隊はかなり有利になり鬼を全滅させられるだろう



煉獄さんが亡くなる時



私は何も出来なかった




けれど真実を言えば貢献することが出来る






____ だけど



___________ だけどっ!!







胸の中がグチャグチャになる




自分の考えがまとまらない




涙が頬を伝う






「言いたいけどっ…言ったら…!」





…息が吸えなくて苦しい




その時 悲鳴嶼さんが呼吸もままならなくなってしまった私をぎゅっと抱きしめてくださる

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はる - 初コメ失礼します!!この小説大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (2月3日 22時) (レス) @page44 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - どうして完結なんや…() (11月20日 5時) (レス) @page44 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
こいちご。 - ちょっとあまりにも私と解釈一致すぎて泣いてます (2022年12月14日 0時) (レス) @page9 id: 72d95f658b (このIDを非表示/違反報告)
⭐️穂乃果⭐️ - 面白すぎて大草原www (2022年3月6日 10時) (レス) @page15 id: 1b52ef822c (このIDを非表示/違反報告)
ふじか(プロフ) - 続きがとても気になります…! (2021年9月29日 20時) (レス) @page44 id: ae671ca5ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ばぐ | 作成日時:2019年12月19日 17時

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