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108話 ページ9

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両親が亡くなってから初めて涙を流した

____ 私は一人じゃない

それはとっくに分かっていたことなんだけどやっぱりトラウマは消えないものである




けど今 こうして私のために涙を流してくれる人がいるんだと改めて気付いた

同情の涙じゃなくて本当の私を見て泣いてくれているんだ

それが言い表せないほど嬉しかった






「ほらケーキ食べよう!」


私たちが馬鹿みたいに泣きながら笑っている間に他の皆はケーキを切ってくれていた

21等分されたケーキはすごく小さい

一人でホールケーキを食べたあの日と正反対

その小さなケーキを見て思わず笑ってしまう




「これ もしかしてウサギ?」


私のお皿にだけ白い謎の物体が乗っていた

頭部と思われる部位に耳のような棒が二本刺さっている




「どうみたってウサギだろ!?」

「不細工だね」

「頑張って作ったんだよ!?ねぇ!」



チョンチョンと突っつけば可愛らしくコテンと倒れるウサギはどうやら砂糖菓子のようだ

こんな細かいものまで作ってくれたんだ

感慨深くてジーッとケーキを見つめた



お母さんのショートケーキと全く違う

クリームの塗り方が下手だしイチゴも均等に切れていない

ホイップもバランスが悪いし何よりウサギの砂糖菓子が不細工

だけどそんなケーキが愛おしく思えた




皆の手元にもケーキが渡ったらしい

私をじっと見ているあたり「最初に食べろ」と言うことなんだろう

皆の視線を受けながらフォークをもつ




ケーキの先端をフォークで掬って口に運ぼうとするのだけれど手が震えて上手くいかない

皆も心配そうに私とケーキを見つめている

もう怖くないはずなのに私の手は全く口元に向かってくれない


そんな私にしびれを切らしたようで爆豪くんが私からケーキが乗ったフォークを奪った




「さっさと口開けろ 泣き虫が」


私が泣いたからなのかいつもより口調が穏やかな爆豪くんに違和感を抱きつつも言われるがままに口を開いた

容赦なく口にいられたフォークによってケーキが口の中に運ばれてくる




「…おいしい」


________ おいしかった

クリームもベチャベチャしていてお世辞にも上手く作れていないケーキだけどちゃんと味がした

とにかく甘くてどれだけ砂糖入れたんだよって聞きたくなるほど甘いけれど今の私には丁度よかった



私の反応を見て皆は大喜びしている

何故か泣き出す子まで現れたけど私はケーキの味がしたことにすごく驚いていた

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三毛猫 - 轟くん相変わらずイケメン(^^)頑張ってください (2月22日 13時) (レス) id: 717af831f6 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 大好きな作品です。更新これからも待っています。頑張って下さい! (2月22日 11時) (レス) id: c612da49fe (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すごい、面白い。やばい。頑張って下さい。 (2月22日 5時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 廃人さん» 聞いてみました!本当に似ていて驚きました笑 今後の展開と一部被ってたりもして…汗 (2月21日 19時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 三毛猫さん» 重ね重ねありがとうございます! (2月21日 19時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ばぐ | 作成日時:2020年2月16日 21時

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