Raptor【WT】

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体格のいいシュータータイプの人型近界民

射程 威力 弾速 速射性

段違いの射撃トリガーを有している

撃ち合いになるなら足を止められない

火力勝負になるとかなり厳しいだろう


しかもイーグレットを止めるレベルのシールドまで持っているらしい

ブレードも防ぐ可能性も高く単発で崩すのは難しい

それに加えて撃てばすぐに反撃がやってくる

上位狙撃手を有する荒船隊ですら既に二人が緊急脱出している現状だ


A級隊員の出水･米屋･緑川はオペレーターに転送されたマップを見ながら顎に手を当てた

それなりに戦いやすい地形だがこちら側が優勢になるかどうかは運任せに等しい

空中戦になったとしたらグラスホッパーを持っているのは緑川だけなので不利

出水はインカム越しに声をかけた




｢なあ瀬鳴 ちょっと援護射撃してくんない？｣




通信を繋いだ相手はB級1位部隊狙撃手の瀬鳴

今は基地の屋上で本部防衛及び全隊員のサポートをしているらしい

どうやら他の人とも通信しているようで瀬鳴と誰かの声が重なって聞こえた

随分と忙しいようだ

瀬鳴からの援護射撃は望めないかなと諦めようとしたときインカムに彼女の声が届いた




[出水先輩 もう少しハッキリ話してくださーい]

｢クソ生意気だな！｣

[それでご用件は何ですか？]




幼さが残る緩い瀬鳴の声

ここが戦場だということを忘れてしまいそうになる


どうせ瀬鳴のことだ

既にこちらの盤面など視ているに決まっている

先程から感じる僅かな視線は彼女に違いない

それならわざわざ現状の説明をする必要はない




｢そこから適当にぶっ放してくれ｣

[あははっ わかりました〜]




半分馬鹿にしたような笑い声

瀬鳴に送ったマップに近界民がいるエリアをマークした次の瞬間に銃声が響いた

タタンッタタンッと特殊な狙撃音

頼んで数秒だというのに既に数え切れないほどの狙撃が人型近界民を襲っている


一発も相手には当たっていない

だがそれでいい

瀬鳴の役割は人型近界民を撃ち落とすことではない

相手の動きを少しでも狭めることが彼女の役割だ

動かなかったら当たらないが少しでも動いたら瀬鳴の射線に入ってしまう

近界民も新たな狙撃に警戒しているようで動きが鈍い




[ラプター…？撃ってるのは瀬鳴か！]

｢正解です東さん 援護射撃で手伝ってもらいました｣

[瀬鳴がいるなら火力差も詰められるな]





これなら相手を抑えられるかもしれない

自然と全員の口角が上がった

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