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困惑したような表情を浮かべる瀬鳴
迅は物理的な意味で瀬鳴の背中を押した
押された瀬鳴は半強制的にブース内に入った
ブースの設定は至って標準的
三門をイメージした市街地の中央に瀬鳴は転送された
本能的にサイドエフェクトを起動して視野の妨げとなる住宅やビルを透視していると何処からともなく声が聞こえた
キョロキョロと辺りを見渡すと電信柱に付いたスピーカーから聞こえているようだ
『もう見えてるだろうけど適当にトリオン兵を発生させておいたから対処してね
風刃起動って言えば使えるから後はよろしく』
他人事のように淡々と告げる迅
瀬鳴はポカンと口を開けた
知っているだろうが瀬鳴は
それ故にブレードタイプのトリガーを使用したことなど一度もない
狙撃用トリガー以外使用したことがない彼女が銃手用トリガーならまだしもブレードタイプのトリガーを使用するなど不可能に近い
正しくいえば使うこと自体は可能だが風刃本来の使用をできない可能性が高いのだ
だがここまで来て何もしないわけにはいかない
瀬鳴が風刃を使用するまで迅はブースから出してくれないだろうし上層部まで見に来ている
知人も多く見ているのにウダウダしている姿を晒し続けるほど肝は座っていない
瀬鳴は手に収まりきらない風刃に視線を向けた
これが黒トリガー
迅の師匠がここにいるのだと思うと何とも言えない感情が押し寄せてきた
「風刃起動」
気を決して起動の合図を出すとブレードが伸びた
ユラユラと揺れるブレードは何本にも別れている
目視で数えると大体11本ほど
迅は8本だったがそれを優に超える数
だがそれが多いのか少ないのか果たして正常なのか分からない瀬鳴にとっては謎でしかなかった
『見様見真似でいいから撃ってみてよ』
ユラユラ揺れる刃を見ていると再びスピーカーから迅の声が聞こえた
見様見真似だなんて言われても分からない
「はぁ」と溜息をついて軽く辺りを見渡した
南西方向に4体のモールモッド
東方向にバムスターが2体
更に空にはイルガーが飛んでいる
なんとも豪勢なラインナップだ
いくら仮想空間だとは言え一人でこれを相手しなければならないと思うとビビる
「あぁもう!どうなっても知らない!」
瀬鳴は身近な
その瞬間斬撃が住宅やビルを薙ぎ払い崩れ落ちた

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ばぐ(プロフ) - 40さん» 40様コメントありがとうございます!そう言って貰えて幸いです。これからもご愛読よろしくお願い致します! (1月28日 6時) (レス) id: e58583f0df (このIDを非表示/違反報告)
40(プロフ) - オリジナルトリガーの設定が魅力的でとても惹き込まれました……!!丁寧でわかりやすい描写でスラスラと読めてしまいました、次の更新がとても楽しみです。コメント失礼しました (1月27日 19時) (レス) id: f0ee598b96 (このIDを非表示/違反報告)
海宙(プロフ) - ばぐさん» 大好きな方からの大好きほど嬉しい事はありませんね!いつかばぐさんが占ツクからいなくなるその日までずっと追いかけさせて下さいね! (1月15日 23時) (レス) id: c037788408 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 海宙さん» 海宙様コメントありがとうございます!できるだけ主人公の性格が被らないよう心がけています!気付いてもらえて嬉しいです!今作は少し雰囲気が変わるように英語にしてみました!言ってほしい言葉をくださって本当にありがたいです…!私も海宙様が大好きです! (1月15日 15時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - かなりさん» かなり様コメントありがとうございます!嬉しい限りです泣 これからもご愛読よろしくお願いいたします! (1月15日 15時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばぐ | 作成日時:2021年1月10日 19時