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試合開始直前
東京校チームは既に移動完了していた
｢虎杖 大丈夫か？｣
｢おーっ 大役っぽいけどなんとかなんべ｣
伏黒の問いかけに虎杖は腕をブンブンと振り回しながら答えた
しかし伏黒が言いたいのはそうじゃない
｢何かあったろ｣
｢あ？何もねーよっ｣
虎杖はいつも通り笑って答えた
と言ってもその笑みを見たのは久しぶりだ
しかし虎杖からは少し違和感を感じる
何もなかったはずがない
｢……あった
けど大丈夫なのは本当だよ むしろそのおかげで誰にも負けたくねーんだよ｣
ポツリと虎杖は呟いた
その表情は今まで見たことがなくて伏黒と葛波は少し戸惑った
だけど虎杖にその何かを引きずっているような様子はない
あまり心配しなくても大丈夫だろう
｢…ならいい 俺も割と負けくない｣
｢何が割とよ 1度ぶっ転がされてんのよ！？
圧勝！コテンパンにしてんのよ！
真希さんのためにも！｣
｢……そーいうのやめろ｣
｢明太子！｣
｢そう！真希のためにもな！｣
やる気満々な彼ら
葛波はそんな彼らの少し後ろに立っていた
彼女にとって勝ち負けは重要ではない
もとより葛波が姉妹校交流会への参加に意志を出したのは虎杖が死んだと思っていたからだ
知らないところで誰かが死んでそれを悲しむことしかできない自分を変えたかった
しかし蓋を開けてみれば虎杖は生きていた
勿論自分を変えたいという決意に変わりはないがその思いが弱くなってしまったことも事実
｢…なんか疲れたかも｣
葛波は誰にも聞こえないよう小声で呟いた
試合はまだ始まっていない
何が起こるか分からない交流会に葛波はかなりプレッシャーを感じていた
自分が姉妹校交流会に出たいと言い出して稽古をつけてもらった
今更引けるはずもない
それに彼女にもプライドはある
ここで辞退したら確実に五条は自分の評価を更に下げるだろう
それは嫌だった
｢…大丈夫 多分何とかなる｣
｢なーにひとりでブツブツ呟いてんのよ！
シャキッとしないさい！｣
｢痛い！叩かないで！？｣
バシッと釘崎に叩かれた背中が痛む
腕時計を見ると時計の針は試合開始数分前を指していた
いよいよ試合開始
これが葛波のデビュー戦だ
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raru58063503(プロフ) - このお話大好きで何回も読み返してます！！ (2022年10月8日 23時) (
レス) @page36 id: 95468c547b (このIDを非表示/違反報告)
ふーか(プロフ) - 伏黒とどうなっていくのか楽しみです！！引き込まれるようなお話でワクワクしました！ (2022年2月6日 6時) (レス) id: 638dc06db7 (このIDを非表示/違反報告)
無量クーポン - ヤベェくそおもろい← (2022年1月20日 19時) (レス) @page17 id: f5549b5e83 (このIDを非表示/違反報告)
Sol(プロフ) - 何回も一気読みしました！！お話の続き楽しみにしてます (2022年1月8日 16時) (レス) @page35 id: 11f64c7a6d (このIDを非表示/違反報告)
小春日和 - この作品とても面白くて好きです。葛波ちゃんの誕生日がまさかの私と一緒で笑っちゃいました。 (2022年1月4日 11時) (レス) id: f0a1c41359 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年12月27日 17時
