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爆発によって舞い上がった粉塵が収まり少しずつ虎杖の…いや両面宿儺の姿が現れた
あんなに強い火力の爆発を正面から受けたというのに傷ひとつ付いていない
「なるほどなァ!やはり懐かしい!
だが威力が弱っていて話にならん!」
「クソッ…!」
ケロッとした様子で葛波を見る両面宿儺
伏黒は悔しそうに言葉を漏らした
一歩また一歩とこちらに近づいてくる両面宿儺から逃げるように二人も後退するがここは屋上
逃げ場がもうない
ここまでかと諦めようとした時
両面宿儺は自分で自分の首に手をかけた
「人の体で何してんだよ 返せ」
「お前なんで動ける?」
「いや俺の体だし」
虎杖の声が聞こえた
先程までの低い不気味な声とは違う聞きなれた彼の声だ
しかも交互に言葉を発して会話をしている
体内にふたつの人格があるかのようだ
そして次第に両面宿儺の気配は消えていき虎杖に戻っていった
「え?虎杖なの?」
「おう!」
「体痛くない?変な感じしない?
私虎杖に呪符投げちゃったんだけど…」
「あー全然大丈夫!」
トコトコと虎杖に近付いた葛波は心配そうに彼の体を見回した
先程葛波が使ったものは呪符の中でもかなり力の強いもので直撃していれば確実にダメージを与えられるはずだった
結果的に虎杖は人格を取り戻したため怪我をさせなくてよかったが両面宿儺のままだった場合状況はかなり最悪だっただろう
ワタワタと慌てた様子で虎杖を気遣う葛波
「大丈夫」と声をかけてもやはり心配なようで眉を下げて何度も謝った
そんな二人を見て伏黒は悩んでいた
特級呪物“両面宿儺”を受肉した虎杖
完成した術式を使う詳細不明の葛波
その言葉だけを聞けば危険な二人と判断できるがこの様子を見る限りそうは思えない
虎杖は自我を保っているし葛波はこちらの味方のように見える
どうするべきか悩んだ伏黒はひとつの結論を導き出した
「動くな 虎杖オマエはもう人間じゃない」
「は?」
「え?」
伏黒の発言に首を傾げる二人
そんな二人を他所に伏黒は戦闘態勢に入った
「呪術規定に基づき虎杖悠仁オマエを
________“呪い”として
話の流れが理解できないと言わんばかりに虎杖は困惑した
一方葛波は全てを理解したようで深刻そうに顔を顰めた
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プスメラ - 初めまして、この小説は恋愛小説ですか?できれば五条悟オチにしたいです。お願いいたします。続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月22日 9時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - ひかるんさん» ひかるん様コメントありがとうございます!拙い語彙力で伝えられたと思うと嬉しいです!これからもご愛読よろしくお願いいたします! (2020年12月26日 22時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 海宙さん» 海宙様コメントありがとうございます!有難い言葉本当に嬉しいです!あ…見つかっちゃいましたか笑 やはり趣味が合うようですね笑 (2020年12月26日 22時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
ひかるん(プロフ) - 夢主の感情が伝わって泣いてしまいそうになりました。早く夢主に頼れる人ができるようになってほしいです。更新頑張ってください。 (2020年12月26日 22時) (レス) id: b91485c027 (このIDを非表示/違反報告)
海宙(プロフ) - 他者との距離感や会話の仕方、距離の詰め方まで完璧すぎです。本当に本当に大好きです!これからも無理の無い更新頑張ってください!どうでも良いことなんですがこの前他作者様の作品にコメントをしようとしたらばぐさんが先にコメントしていて思わず笑いました!笑笑 (2020年12月26日 21時) (レス) id: c037788408 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばぐ | 作成日時:2020年12月11日 20時