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俺が見た未来を全て正直に伝えるべきか否か
今は伝えないべきだと分かっている
けれどいつか伝えなければならない
それなら比較的状態が安定している今伝えた方がいいと思い覚悟を決めた
｢Aは何も間違っていない｣
｢それならどうして…！｣
俺がそう言うとAはこちらを真っ直ぐに見た
間違えていないのならどうしてこんな目に遭ったのか理解できないのだろう
そんなAに俺は言葉を続けた
篠田隊が今回の遠征に出発する前に俺が見た未来は2つ
篠田隊が全滅し遠征は失敗に終わる未来
戦闘員は全員死亡するがオペレーターのみ帰還し大量の敵国のトリガーや情報を入手する未来
どちらにせよAを含め戦闘員は死亡するしその場に自分はいないから未来を変えることはできない
ただ後者の未来が引き起こされた場合ボーダーに大きな利益を与えることができる
だから俺は遠征を止めなかった
遠征出発前に遺書を書く優雅と話した時も
今回の遠征に不安を抱いていたAと話した時も
誰にも伝えなかったし墓場まで持っていくつもりだった
全てをAに話し終えた瞬間 頬に鈍い痛みが走った
ハッとして顔を上げるとAはベッドから立ち上がってもう一度俺の頬を殴った
点滴や計測器を無理矢理外してしまったせいで病室中にアラームが鳴り響く
そんなことを気にも止めず床に倒れ込んだ俺の胸ぐらを掴んで馬乗りになったAの目は撹乱状態に陥っていた
再び拳が振り上げられもう一発殴られることを覚悟し目を瞑る
しかし覚悟した痛みは襲ってこない
恐る恐る目を開けると太刀川さんがAを抑えてくれたようで頬のすぐ傍で拳が止まっていた
珍しく慌てた様子の太刀川さんを見て改めてこの状況を理解した
｢……返して…優雅を返してよ！！｣
｢落ち着けA！｣
｢うるさい！慶くんは黙ってて！｣
抑える太刀川さんを振りほどきAは俺を壁に押し付け首を締め付けるように握りしめた
こんなボロボロの体のどこにそんな力があったのかと思いながらAを見た俺は狂気に満ちた瞳に恐怖を抱いた
俺はこの目を知っている
命を奪う覚悟を決めた目だ
｢アンタが嘘をつかなければ優雅が死ぬことはなかった！彼方さんもマイさんもこんな目に遭うことはなかったのに！｣
大粒の涙を零しながらそう叫ぶAを俺はただ見つめることしかできなかった
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弓月有無％(プロフ) - コメント失礼致します！！描写力が凄くて過去編まで来て思わず悲涙？落涙してしまいました、ストーリーも迚も読みやすく面白かったです！また気が向いたら更新して下さると嬉しいです、他作品も拝読させて頂きます。無理のない程に頑張って下さい是から応援しております (4月27日 20時) (
レス) @page39 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 更新ありがとうございます！嬉しいです！！ (2022年10月16日 22時) (レス) id: 88c8eec9ab (このIDを非表示/違反報告)
おと(プロフ) - 更新してくださり本当にありがとうございます！！めちゃくちゃうれしいです涙 (2022年9月27日 19時) (レス) @page33 id: c4a16c735a (このIDを非表示/違反報告)
仔犬(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2022年9月25日 20時) (レス) @page32 id: 8b2aa36d50 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新して下さると嬉しく思います。待ってます。 (2022年5月30日 23時) (レス) id: e6820645c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年12月2日 20時
