君のため４【ワールドトリガー】

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出水公平side





同期に入隊した優雅とのランク戦を終えて戻ると何だかブースは騒がしかった

多くの視線の先には見慣れない人達の姿

C級隊員の支給服より洗練されたオフホワイトの隊服にはA級部隊を証明するエンブレムが施されている

｢A級の篠田隊だ｣と誰かが小声で呟いた




｢なんか凄い人達いるな｣

｢そうだね ランク戦するのかな？｣

｢お前誘う気か？｣

｢相手してもらえたらラッキーだろ｣




初めてA級隊員を見て少しビビってる俺とは対照的に優雅はランク戦を挑もうとしていた

人畜無害のような顔をしておきながら食えないやつだ

そんなことを優雅と話していると1人の女子と目が合った


獲物を捉えるような瞳に思わず息を飲んだ

ビビっている俺と全く気にしていない様子の優雅の元に あろうことか2人はやってきた

柔らかい印象の男性とやけに顔の整った同い年くらいの女子




｢はじめまして 少し時間いいかな？｣




穏やかな声色で男性はそう言った

優雅は｢はい｣と答えて会話を進めてしまった


篠田隊の篠田彼方さんと妃旗Aさん

名前を聞かれて答えると妃旗さんは何処からともなくタブレットを取り出して調べ物を始めた

それから少し驚いたような表情を浮かべて俺と優雅を見た

｢春野に相談してくる｣と言って篠田さんはどこかへ行ってしまった


取り残された俺たちと妃旗さん

優雅と俺はともかく妃旗さんとは初対面だから気まずくて仕方がない




｢…もしよかったらラウンジ行かない？｣

｢はい 行きます｣





困ったように笑った妃旗さんの提案に優雅はすぐに答えた

もちろん俺はA級隊員の誘いを断れるはずがなくついていった




やはり数少ないA級隊員というだけあって一緒に歩いているだけで視線を集める

普段からこんな注目されて過ごしていると思うとA級ってすごいと今更ながら思った

4人掛けのテーブルに座ると妃旗さんは俺と優雅の分の飲み物を買ってくれた




｢あっ！金払いますよ！｣

｢大丈夫 給料貰っているから｣

｢給料貰えるんすか？｣

｢うん B級から貰えるようになるよ｣




B級はトリオン兵討伐の出来高払いでA級は給料+トリオン兵討伐の出来高払いだと教えてくれた

やはりA級隊員は給料面でも扱いが違うのだと知った

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