魔女が一人。【呪術廻戦】

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『…痛っ』



避け続けるのは難しいようで、ついに彼女の体にゴム弾が打ち込まれた。

至近距離からのゴム弾はそれなりの打撃を与えることができ、Aは軽く飛ばされてしまう。



「やっぱり。逃げることしかできないの？本気出しなさいよ」

『だって〜…魔法使っちゃったら怪我しちゃうし』

「はぁ？」

『真依ちゃんのナチュラル綺麗なお顔に傷がついちゃう』



一種の煽りとも聞こえるかもしれないAの一言に、やはり青筋を立てる真依。



『じゃあ、使っちゃおうかな。…エンゴージオ(肥大せよ)』



走りながら木の幹に足蹴りをし、その衝撃によって落下し始める木の枝にAは肥大呪文をかける。

大きくなった木の枝はそのまま真依の元へと落ちていき、彼女はそれから逃げることに精一杯だ。



『悠仁くらいになれればなぁ』



そんなつぶやきを漏らして、真依に一蹴り。

体術が苦手なことはA自身が十分よくわかっている。だからこそ、体術に時間はあまりかけられないのだ。



『…私はいつでも本気だよ』

「…なっ、」



そんな声が聞こえたと思ったら、いつの間にか真依のすぐ後ろにAが立っていた。

まるでこそこそ話をするかのように、真依の耳に囁いて。気配を感じることのできなかった彼女は目を見開く。



「いつの間に…」

『ステューピファイ(麻痺せよ)』



そうAが唱えると、気絶し真依は倒れ込む。

あくまで気絶なので、きっと真希と戦う時に支障は出ないだろう。


彼女たちの戦いは避けるべきではない戦いだ、とAは思っていた。



『…逃げてるなんて、もう二度と言わないで』









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