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「…なんで初対面のあんたと、女の趣味を話さないといけないんですか?」
「…」
「そうよ、むっつりにはハードル高いわよ」
「お前は黙ってろ。ただでさえ意味わかんねえ状況が余計ややこしくなる」
むっと眉を顰めた東堂は、何かを閃いたような表情をした。
「京都3年、東堂葵!自己紹介終わり。これでお友達だな、早く答えろ。男でもいいぞ」
「性癖にはそいつの全てが反映される」と豪語する東堂。彼曰く、女の趣味がつまらない人はその人自身もつまらないんだそうだ。
そして、彼はそんなつまらない男が大嫌いだと。
「交流会は血湧き肉躍る俺の魂の独壇場!最後の交流会で退屈なんてさせられたら…何しでかすかわからんからな」
「…ねえ、呪術高専って4年制でしょ?」
「交流会は3年までなんだよ」
「へえ〜、」
「俺なりの優しさだ、今なら半殺しで済む。答えろ伏黒、どんな女がタイプだ?」
「なんだこれ、大喜利かよ」
そんな中、恵の隣にいる野薔薇は呑気に真依の着ている夏服を羨ましがっている。危機感無いのかお前は。
彼女は当然ながら丸腰、恵は余計な揉め事はするべきではないと判断した。
そして、
「…別に好みとかありませんよ。その人に揺るがない人間性があれば、それ以上は何も求めません」
「悪くない答えね、巨乳好きとか抜かしてたら私が殺してたわ」
「…うるせえ」
そんな中、東堂の頬には一筋の涙が伝う。
ここで泣く!?と二人の脳内はハテナマークで覆われた。
「…やっぱりだ。退屈だよ、伏黒。」
次の瞬間、東堂の左手によって恵は体ごと吹き飛ばされる。
そして彼を助けようとした野薔薇も、真依によって動きを阻まれて。
「あーあ、伏黒くんかわいそう。二級術師として入学した天才も、一級の東堂先輩相手じゃただの一年生だもん。後で慰めてあげようっと」
「似てるって思ったけど全然だわ。真希さんの方が100倍美人。
寝不足か?毛穴開いてんぞ。Aさんが通ってるエステ紹介してやろうか?」
「…口の利き方、教えてあげる」
かちゃり、という音とともに、野薔薇の脇腹には冷たいものが押しつけられる。
野薔薇の目が写したのは、手のひらよりもよっぽど大きい銃だった。
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れもん - 好きです!(ゑ)更新待ってます!! (2021年4月23日 18時) (レス) id: 46613accf8 (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - もち米の化身さん» すごく嬉しいですありがとうございます> <!飽きてなかったですか、よかったです笑 (2021年3月22日 23時) (レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
もち米の化身 - 面白いですね!あと、飽きませんよ! (2021年3月21日 23時) (レス) id: 356bd7e73b (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - ムスメ3さん» 世界がガッツリ!ってわけではないです!呪文、出身校、家柄、両親の仕事ぐらいですかね。わかりづらかったらごめんなさい泣 (2021年2月14日 21時) (レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - 初めましてこんばんはもしかしてハリ〇タの要素あり的な感じですか? (2021年2月14日 21時) (レス) id: 43c62374c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なんなん | 作成日時:2021年2月6日 23時