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またね ページ42

炭治郎と共に外に出ると、鱗滝さんも私達を見送ろうと外へ出てきてくれた。

「それじゃあ、行きます」

最終選別に向かう日の朝のように、私達は鱗滝さんと、その奥の狭霧山と向き合った。

波模様の着物ではなく、鬼殺隊の隊員を纏い、

借り物ではない己の日輪刀を腰に差し、

厄除の面の変わりに、大切な人の羽織を靡かせて。


「今までありがとうございました」とか「さようなら」など、特別なお別れの挨拶なんていらない。

だって、私がまたここに帰ってくるのは“当然のこと”なんだから。

私は必ず、もう一度鱗滝さんに会いに来るから。
絶対に、また鱗滝さんに会いたいから。


鱗滝さんと別れてしばらくした後。
左右に裂けた分かれ道で、私と炭治郎は足を止める。

「Aはここを右だったよな」

『うん』

「そうか。これから、お互いに頑張ろう! Aがよければ、たまに文を送ってもいいか?」

『勿論! 私も炭治郎がどうしてるのか知りたいもん。必ず、返事書くよ』

私はそう笑って、炭治郎に向けて右手を差し出す。
炭治郎もその意図を察したようで、笑顔で自分の右手を重ね、二人で握手を交わした。


「またな、A!」

『炭治郎も元気で! 絶対に、また会おうね!』




炭治郎と握手を交わした右手が、酷く空しくて、ちょっぴり寂しい心地がする。



……大丈夫。

離れたからって、一人ぼっちになったわけじゃない。

再会の喜びのために、少し我慢するだけだ。


次に会ったとき。
姉弟子として、立派に成長した姿が見せられるように。



さぁ、行こう。




___ to be continued

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紅葉いろは(プロフ) - 人見さん» コメントありがとうございます(*´∀`*)初めての小説でいろいろ不安だったので、プラス寄りの感想が貰えて嬉しいです!更新頑張ります! (2021年8月14日 20時) (レス) id: cba06c9064 (このIDを非表示/違反報告)
人見(プロフ) - 面白かったです!眠っていた、という設定がすごく斬新で面白いです!ここからどういう展開になるのか楽しみです!更新頑張ってください!応援してます! (2021年8月14日 18時) (レス) id: 0469953c81 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉いろは | 作成日時:2021年8月14日 10時

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