幸せが79個 ページ39
予定どおりに、太陽は『乱れ虹』で黒い木の殆どを破壊した。でも、六美に異変が起こってしまう。
七『!?六美姉ちゃんの容体に異変!』
四『なっ…!?どうした六美!オイ、クソ兄貴そっちはどうなってる!?』
六美には血桜が生えているだろう。つぼみが、六美の体に根を残していたのか…!
五「…!そうか…あのクソッタレが…」
つ「口が悪いですよ。母の前では、慎み深くあるべきです」
黒い木からはつぼみが現れた。
つ「お喋りが過ぎますね。せっかく私の血で黄泉がえらせてあげたのに…」
五「醜く命にしがみつくのは性に合わなくてね」
だが、私にも体の異変が起こる。違和感のある手を見ると桜が咲いていた。
A「!?……は…?」
つ「私と六美をつなぐ『絆』が目覚めたのです。そしてA、あなたとも」
二「A!?」
太「A姉さん!?」
つ「大樹たる私もいつかは枯れる。老い衰える体を蘇らせるには、途方もなく瑞々しい肥料が必要だった。
だから、特別にこしらえた私の『種』を夜桜家に植え、花咲き豊かに実るのを待ち、そして刈り取るはずだった。
あの日は失敗してしまいましたが、その時確かな『絆』をその子の身に刻んだ。見えぬほど細く、決して絶てない『根』を」
A「っ…はぁっ…」
地面に倒れてしまい、目を閉じる瞬間、つぼみと目があった気がした。
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作者名:Yuma | 作成日時:2023年8月24日 11時