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幸せが69個 ページ29

凶「今日は楽しかったー」

A「明日には戻れてるといいね、凶一郎」


一応、安心をとって凶一郎のベッドで寝ることにした。凶一郎は寝たと思っていたが、違った。


凶「母さん、死んじゃったんだね」


それを聞いて起き上がってしまった。凶一郎も起き上がって、話を続けた。


凶「隠そうとしてくれてありがとう。目が良いから見えちゃったんだ。

名前のないお墓と青いカーネーション。母さんの花だ。なんとなくわかってた。変な予感がしてたんだ、ずっと。

いつかこの家は壊れるかもしれない。だから長男の自分がちゃんとしなきゃって思った。夜桜を継ぐ黒髪の女子…六美が生まれた時、この子とこの家を守らなきゃって気持ちが強くなった。

自分でも怖いくらい強くなった。家族のことを考えすぎて、自分がおかしくなってくような気がした。

…今日のみんなの反応でわかったんだ。僕は、僕が思った通りの嫌な人になっちゃうんだって…。覚悟はしてる。でも、やっぱり怖くて…」


私は凶一郎を抱き締めた。これ以上、自分を傷つける言葉を言ってほしくなかったから。





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作者名:Yuma | 作成日時:2023年8月24日 11時

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