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幸せが65個 ページ25
私は入り江に来ていた。
A「綺麗な入り江ですね、お義父さん」
百「Aか…。屋敷の襲撃ぶりだな」
A「薄情な人ですね。仲間のはずの皮下を助けずに傍観をし、負けたらさっさと島を去る。
最初からただ見守るだけだったんでしょう？あなた達にとって、この島も皮下も全く重要じゃない。
重要なのは、"アイツ"にとって有用な、お義母さんの心臓だけ。私たちの母でもあり、8代目夜桜当主夫婦の娘です。返してもらうべく来ました」
百「…それは無理だ。これは俺たち夫婦のものだからな」
少しお義父さんを見る。
A「…そうですよね。仕方ないので、諦めます。ってなるわけないでしょ」
私は刀を抜き「風雪」をだす。だが、お義父さんは片手でそれを受け止めた。それを、万さんが見ていたとも知らずに。
百「『沈丁花』でも受け止めきれない。強くなったな。さすが凶一郎のお嫁さんだけのことはある。
最後にいい思い出ができた。じゃあな、A」
お義父さんは、それだけ言うと花弁のように消え散った。
肩にポンと置かれる。
万「とんだバカ息子だ。お前もそう思うだろ？…いやお前からすりゃ、バカ親父か」
A「そうですね…。でも、大好きなお義父さんには変わりはありませんよ」
万「そうか」
一応、お義父さんに関しては保留だ。とりあえず、帰るのだ。
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作者名：Yuma | 作成日時：2023年8月24日 11時
