【番外編】吸血鬼と同居したら周りも訳アリすぎて心臓が持ちません【オリジナル】

人狼 2 ページ2

Aside

どんなに頑張ったって届かない。息が苦しくてそれでも追いかけて。

何を追いかけているのか分からない。それに、前にもこんなことがあった気がする。

何であったんだっけ？でもそんなことより、追いかけないと！

『A』

何処からか声がした。知っている人の声だ。ああ、僕が追いかけているものは、あっちにいるのか。

暗闇の中を闇雲に探していると光が見えた。そこへ一直線に向かっていく。

『A』

また声がした。光に手を伸ばす。そうすれば手をとってくれるって自信があったから。

『おいで』

道が開ける光の先にいたのは＿＿＿＿＿＿＿





主「ッ！！」

目が覚めた。

手を伸ばした状態で起きた僕はしばらく手を見て、それから顔を隠した。

ああそうか。ルイとリトが戦っていた最中、似たような夢を見たっけ。

でもそんなことより、重要なことに気付いてしまった。

何故、今更。

主「…………………馬鹿だな」

自分自身が馬鹿すぎて、苦しくて、涙が出てきた。

だってもう、会えるわけないのに。

なのに、気付いてしまった。

あの手を取ってほしいのは、ルイでも三虎先生でも涼先輩でもない。

リトだ。もう会えないかもしれないリトに、あの手を取ってほしかった。

主「………………会いたいよ」

心配と不安で胸が潰れそうだ。神様に会えるならどんな罰でも受けるからお願いしたいくらい頭の中はリトでいっぱいになっている。

この気持ちの正体が何なのか。本当に今更、僕は気づいてしまった。リトは今まで、こんなに苦しい想いを隠してたのか。

ねぇリト。お願いだよ、生きていて。また再会しよう？そしたら僕は＿＿＿＿＿＿







・









リトを選ぶから。

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