信じない理由 101 ページ15
人じゃ、ない･･････ッ！
「ぁ･･････」
からだ、動かない。いや、動いたら殺される。足が震えて立っていられるのがやっとだ。自分が今呼吸しているのかも分からない。
誰なの？ 大きい。 怖い。 たすけてグリム。
ボクは死ぬ･･････？
「聞こえなかったか？お前は、ここに住み始めたという監督生か？」
へんじ、返事、しないと。
「そ、そうです･･････。あなたは･･････？」
「僕のことを知らないのか？･･････まあいい。ここも廃墟ではなく、人が住むようになってしまったか。残念だ」
ライムグリーンの瞳が驚いたようにこちらを見る。その目がちらりと上を見た。そこには何かの動物の彫刻がされている。怖い顔だ。あれがガーゴイルというやつなのかもしれない。
角の生えた大きな男はガーゴイルを見て寂しそうに目を細めた。大きくて怖い人だけど、オーラが何だかレオナさんと似ている。威厳みたいな･･････そんな感じのものが。
「住んでいるならこれからもう来ることは出来ないな。いい場所だったんだが」
表情も声も変わらないのに、とても悲しそうに感じる。
ここは魔法の国。レオナさんたちにも人間じゃない、動物の耳がついていた。もしかしたらこの人も、人じゃない別の動物なのかもしれない。
初めは呼吸も忘れるほど怖かったけど、少し冷静になればそこまで怖くない･･････かもしれない、ちょっとだけ。
「アレ、見るだけ、なら･･････来ても、大丈夫です･･････」
ガーゴイルと呼んでいる彫刻を外で見るだけなら害はない。夜は怖いから基本出ないし。今日がイレギュラーだっただけで。
それに、本当に悲しそうだし。
「良いのか？」
少しだけ表情が明るくなった気がする。本当に好きなんだな。
お姉ちゃんも推しとか見たらすぐニコニコするし、この人にとってガーゴイルは"推し"なのだろう。
こくん、と頷くと角の人は「そうか」と言った。多分、喜んでくれているんだと思う。
「お前、名はなんと言う？」
「えっと、Aです。皆には、監督生って呼ばれてます」
少しだけ、怖さがなくなった。悪い人ではない、と思う。
「僕は･･････いや。やめておこう。聞かない方がお前のためだ。世間知らずに免じて好きな名前で呼ぶことを許す」
やっぱり、レオナさんみたいに王様とか偉い人なのかもしれない。
「僕はもう行く。またな、ヒトの子」
ぱちりと瞬きをすれば、その人はもう消えていた。
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埋夜冬(プロフ) - れおさん» 読んでいただきありがとうございます！まだまだ続きますし書きたいところが書けてないので全寮終わってからが本番です！お楽しみに！！ (11月7日 23時) (
レス) id: 7f524a9c70 (このIDを非表示/違反報告)
れお - 監督生と他寮の絡みの勘違いが最高すぎます！更新楽しみにしてます！ (10月30日 22時) (レス) @page26 id: bf0a07f8e6 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 三色団子さん» 読んでいただきありがとうございます！はてさてこれからどうなるんでしょうねー！お楽しみに！！コメントありがとうございます！ (8月4日 22時) (レス) id: 7f524a9c70 (このIDを非表示/違反報告)
三色団子 - やっとこさ気づいたかパイセン…()面白い！！更新頑張ってください！！ (8月4日 3時) (レス) @page21 id: f3a4577dfa (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 善さん» 読んでいただきありがとうございます！やっと！やっと気付いてくれましたね！オルトくんが！！！ここからイデアさん達がどうしていくのか見切り発進な作者も楽しみです！！コメントありがとうございます！ (8月1日 23時) (レス) id: 7f524a9c70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜 冬
| 作成日時：2023年1月15日 19時
