【番外編� 曠好�ラビアと美味しいご飯 ページ42
監督生はすぐに消えてしまいそうな雰囲気を持つ、男子校唯一の女の子だ。入学式で会った時は驚いたけど、家族に酷いことをされていた子だと知って、守ってあげたいと思った。仲良くなってからは少しずつ笑いかけてくれるようになるのが、心を開いた小動物みたいで可愛い。
そんな監督生がお腹を減らしていると知って、ジャミルと一緒にスカラビア寮へ戻る。
｢いいか、宴はナシだ。だが飯は作る。それでいいな？｣
えっ！オレは宴する気満々だったのに！
｢えー、宴ダメなのか？いや昨日もしたけどさぁ······。分かった。じゃあオレたち3人分だな！｣
｢え、あの、ボク大丈夫ですよ？！｣
｢その顔色で大丈夫だと言われても信用できると思ってるのか？カリムと待ってろ｣
そう言ってジャミル先輩はキッチンの方へ消えていった。監督生の顔を見ると、確かにいつもより血色が悪い。
｢そういえばグリムはどうした？｣
｢あ、グリムは補習です。トレイン先生の授業、寝てたから｣
｢あー、確かに眠くなるよなぁ｣
トレイン先生の声は心地いい低音で、眠気を誘うのはよく分かる。
｢監督生、今日は食べてこなかったのか？｣
｢えっと、その······｣
モジモジしていた監督生は理由を説明してくれた。
グリムがたくさん食べること、それが可愛くて作り過ぎてしまうこと、食費が足りないこと、だから自分が食べずに我慢して水のみで生活していること。
｢水だけだったのか！！！？｣
それはお腹も空いて顔色も悪くなるわけだ。
つい大きい声を上げ聞くと、監督生はビクッと震えて涙目になる。あっ、大きい声で驚かすなってジャミルに言われてた！
｢あっ、その······たまにクッキーもらったりとかは、してました｣
｢クッキーはご飯じゃない！｣
そんな、監督生······。いくら女の子だからって、食べなくていいわけじゃないんだぞ。
｢今日はいっぱい食えよ！食べ切れなかったら持って帰ってもいいからな！ジャミルにはオレから言っておくから！｣
｢え。いやでも······｣
遠慮する監督生はなかなか折れてくれない。心配なのに！細くて転んだら骨が折れそうだから、ちゃんと食べて欲しい。
｢倒れられても困る。いいから持って帰れ｣
声のした方を見ると、ジャミルがキッチンワゴンを押してこちらへ来た。ワゴンにはたくさんの皿が並んでいる。
｢わあ！！｣
監督生の目がキラキラと輝いているのが見えた。
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埋夜冬(プロフ) - 茜さん» 読んでいただきありがとうございます！続編でやらせていただきますね！お待ちください！ (2022年1月30日 11時) (
レス) id: 71445b0c29 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 夢主のイラストを見て可愛い！と叫びそうになりました。リクエストでハーツラビュルにお茶会に呼ばれたらというのをお願いします (2022年1月30日 11時) (レス) @page40 id: 6b60f4e764 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ユノンさん» こんにちは！コメントありがとうございます！私自身イラストが描けないので、絵心のある友人に頼んでみました！11日以降にまた覗いてみてください！きっとイラストが載ってますよ！ (2022年1月6日 17時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 夢主人公のイラストが見てみたいです (2022年1月6日 12時) (レス) @page3 id: 53f56e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 星猫さん» 嬉しいです！！ありがとうございます！！続編までいくと思いますので、どうぞよろしくお願いします！！！ (2021年12月30日 14時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜 冬
| 作成日時：2021年11月21日 23時
