信じない理由 2 ページ3
｢ひぃっ！！！｣
ローブの人たちは一斉にこちらを向きざわざわと騒ぎ出す。こちらを見る目が鋭い気がして、その目線だけで殺されそうで、ボクはもうガタガタ震えるしかなかった。
｢ちょっと君！どこへ行くんです？！｣
｢待つんだゾ誘拐犯ー！！｣
｢ッ！！｣
どうしよう喋るケモノと変な格好した誘拐犯も後ろから迫ってきている。咄嗟に逃げようと前へ出たが、周りには宗教団体。みんな、みんながこっちを見ている。
元々涙は止まっていなかったけど、さらに溢れ出す。ボクはこの後どうなっちゃうんだろう。痛いことされるのかな？それとも気持ち悪いこと？もう嫌。全部嫌だよ。
｢ひっ！！うっ、ぐすっ······怖いよぉっ、助けてお姉ちゃん······！｣
どこにいるのお姉ちゃん！ボクの傍に居てくれるって言ったのに······ッ！
怖くて怖くてどうにかなりそうだった。ここはどこで、彼らは何なんだ。何で喋らないはずものが喋っているのか。
分からない。分からないから恐い。
｢嫌ですねぇ、そんなに泣かないでくださいよ。怖くないですから｣
誘拐犯の手がこちらに伸びてくる。捕まったら終わりだ！
｢いやっ······！｣
必死に体を縮こませて顔を背けた。気休めにしかならないけどもう今のボクに出来る抵抗はこれしかない。
だが、いつまで経っても掴まれる衝撃はこなかった。
｢学園長、貴方、まさかこの子を誘拐したのではありませんよね？｣
目の前には、猫を連れたおじさんが立っていた。背中からでも誘拐犯への圧を感じた。
｢仔犬、大丈夫か？怖かっただろう。アレは後できっちりシメておくからもう大丈夫だ。立てるか？｣
隣には白と黒の髪型をした大人がいた。綺麗な顔をした人だ。着てるコートは毛皮だろうか。少し手に触れる毛がくすぐったい。
―――――『大人はすぐに裏切るから、信用しちゃダメ』
お姉ちゃんが昔から言っていた。大人は優しくても、後で酷いことをすると。優しくした代償を求める汚いヤツらだって。
だからこの人もきっと、後で酷いことを要求してくる人なんだ。
ここに、ボクを助けてくれる人はいない。
｢さっ、さわ······ら、ないで！｣
足には力が入らない。手だけで必死に離れようとする。泣きすぎて苦しい。怖くて体がどうにかなってしまいそうだ。
｢大丈夫かい？｣
頭上から、優しい声が聞こえた。
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埋夜冬(プロフ) - 茜さん» 読んでいただきありがとうございます！続編でやらせていただきますね！お待ちください！ (2022年1月30日 11時) (
レス) id: 71445b0c29 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 夢主のイラストを見て可愛い！と叫びそうになりました。リクエストでハーツラビュルにお茶会に呼ばれたらというのをお願いします (2022年1月30日 11時) (レス) @page40 id: 6b60f4e764 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ユノンさん» こんにちは！コメントありがとうございます！私自身イラストが描けないので、絵心のある友人に頼んでみました！11日以降にまた覗いてみてください！きっとイラストが載ってますよ！ (2022年1月6日 17時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 夢主人公のイラストが見てみたいです (2022年1月6日 12時) (レス) @page3 id: 53f56e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 星猫さん» 嬉しいです！！ありがとうございます！！続編までいくと思いますので、どうぞよろしくお願いします！！！ (2021年12月30日 14時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜 冬
| 作成日時：2021年11月21日 23時
