戻してあげるね ページ31
｢グッ･･････！！｣
障壁にノヴァーレがぶち当たり音を立てて壁が崩れた。それほどまでに凄まじい威力の蹴りと魔法だったのだ。
｢本気なんだね･･････ファグゲイル｣
｢はい。俺はAの味方なので、Aを狙う貴方は敵です。だから殺す｣
｢･･････そうか｣
起き上がったノヴァーレの服は攻撃が当たった部分は酷く焼けていた。皮膚からは血が出ているのを見ると、今のは結構効いたらしい。
｢くっ･･････ふふ、あはははは！！！勝てると思っているのかい？この僕に！？これは傑作だ！！｣
ノヴァーレは心底面白いと言ったように肩を揺らして笑っている。大きく笑う姿は人と変わらない。ノヴァーレが最も嫌っている人と変わらない、なんて言ったら周りのことを全く考えず爆発させるのだろう。
｢やるなら本気でやろう。2対1でいいよ。援護もあり。その代わり･･････｣
ノヴァーレはファルの方へ手をかざすと詠唱を唱えた。なんと言っているのか分からない。恐らく人の言葉を使うものではなく、呪文のようなものだ。
｢ファグゲイル、本気でやるならその格好では不便だろう？戻してあげるね｣
｢ッ、あ、がっ･･････！！！？｣
途端にファルが苦しみ出した。何事かと思ったらファルの体を炎が包む。ファルが燃えている。大きな火柱が立ち、うめき声が聞こえなくなった。
｢ファル！！！｣
｢大丈夫だよ切り札君。死にはしない｣
ノヴァーレがそう言ってパチンと指を鳴らす。炎が霧散し、現れたのは――――――――。
｢ドラゴン･･････？｣
白い鱗が美しい大きなドラゴンだった。声に反応して金色の瞳がこちらを向く。顔立ちや体は、会ったばかりの怪我をしていたファルにそっくりだ。つまり。
｢もしかして･･････ファル？｣
ドラゴンは頷いた。人の言葉が理解できるようだ。
｢驚いただろう。怖がると思ってあまり見せたくなかったんだが｣
声は二重に聞こえた。心地よい声だ。怖がるよりも実際にドラゴンに会えた喜びの方が強くこんな状況だが少しテンションが上がってしまった。
ファルの言葉に必死に頭を横に振ると、少し笑った気がした。
｢さて、これでファグゲイルも本来の力を出せそうだね。炎と爆発、どちらが強いかな？｣
辺りに響く爆発音。エルは好戦的な笑みを浮かべて魔法を放ち、ファルも口から火を吹き出した。
ふと、服を引かれてそちらを見るとラナストが小さな声で言った。
｢･･････おい、頼みがある｣
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埋夜冬(プロフ) - 千々さん» 最後までお読み下さりありがとうございます！！！もう本当にありがとうございます！超絶励みになってました！(語彙力) 主人公くんに万が一飽きると魔王様が攫う気満々ですが、その前にエル様がガードしにきます。玩具を取られたくないからね！！ガードが多いね主人公！ (2021年3月13日 11時) (
レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 完結おめでとうございます！ とても面白かったです！ やっぱりファルの主人公に対する執着がいいなあと思いました。そしてファルが主人公に飽きる日は来ないらしいですが、もしそんなことになったら私が主人公を守りにいきます(( 本当にお疲れさまでした！ (2021年3月13日 11時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます！！作者は更新時間まばらですが、これからも精一杯頑張らせていただきます！今後もよろしくお願いします！ (2020年8月26日 12時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 続編おめでとうございます！ とても楽しくお話を読ませていただいています！ 楽しいお話の中にちりばめられた謎がとても気になって……！ これからも読ませていただきます！ 続きを楽しみにしていますね！ (2020年8月26日 8時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» ありがとうございます！予定では続編でちゃんと終われるはず！頑張りますのでお楽しみに！コメントありがとうございます！ (2020年8月26日 5時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2020年8月25日 23時
