あまりうちの騎士を虐めないでほしいな ページ30
「また瞬間移動したね?やっぱりあの子が鍵なのか」
ノヴァーレと目が合う。そのままノールックでクルシュの剣を防いだ。
「集中しろッ」
カキィンと甲高い音が連続で響く。だがノールックで防がれている。屈辱だ。クルシュは融合魔法を使って別の場所からも攻撃を仕掛けた。
「動きが遅い。あと魔力の扱いが雑だよ。もっと緻密に練らないと意味が無い」
軽やかにノヴァーレが飛ぶ。いたところには岩が尖って突き出てきた。
「速いっていうのはこういうことを言うんだよ」
「あ゙ぁ゙ッ!!!」
消えたと思ったら左腕に衝撃。蹴られたんだ、折れている左腕を。痛い熱い痛い痛い熱い痛い!!!!!
「まぁ、人にしてはなかなかの戦いぶりだった。ご褒美をあげよう。これ以上苦しくないように死なせてやろうか。・・・・・・痛みで聞こえていないかな」
のたうち回るクルシュを鼻で笑い手を伸ばす。言った通り苦しまないように、脳内を爆発させてやろう。
「ッ―――――――――!?」
頭を掴む前、ノヴァーレはハッとして右を見る。目の前に迫っていたのはエルの放ったファイヤーボールだった。
大きな音と地響きを立てて爆発したそれは防御に間に合わなかったようだ。右半身は火傷を負い血を流している。
「あまりうちの騎士を虐めないでほしいな」
エルは後ろに先程のファイヤーボールを何個も浮かべノヴァーレを見た。クルシュはいつの間にかAのところにいて処置を受けている。どうやら痛みの防衛反応で気絶しているようだ。
「さてと、ここからは王同士の戦いといこうか」
パチンとエルが指を鳴らすと後ろのファイヤーボールが一斉にノヴァーレに向けて放たれた。ノヴァーレは自身の魔法で相殺する。爆発し辺りに粉塵が舞った。
ッ、気配!!?
瞬時にノヴァーレは剣を抜く。受け止めた先、剣を握っているのはエルだった。鋼の部分が赤く燃えている火属性魔法専用の剣。
「剣を抜いて戦ったのは初めてだ。誇っていいよ」
「君を殺して帰った方が誇れるから関係ないかな」
エルは剣に力を込める。
「動くな」
「ハッ、さっきの女騎士を痛めつけたのがそんなに気に入らない――――――――」
ドゴッ
ノヴァーレの腹に蹴りを入れたのはファルだった。完全に気配を消して近付き思い蹴りを食らわせる。
「燃えろ」
続け様にエルと共に魔法を放つ。ファルが出したのは白い炎だ。―――――――レベルの、いいや、位が高い魔族の証。
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埋夜冬(プロフ) - 千々さん» 最後までお読み下さりありがとうございます!!!もう本当にありがとうございます!超絶励みになってました!(語彙力) 主人公くんに万が一飽きると魔王様が攫う気満々ですが、その前にエル様がガードしにきます。玩具を取られたくないからね!!ガードが多いね主人公! (2021年3月13日 11時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 完結おめでとうございます! とても面白かったです! やっぱりファルの主人公に対する執着がいいなあと思いました。そしてファルが主人公に飽きる日は来ないらしいですが、もしそんなことになったら私が主人公を守りにいきます(( 本当にお疲れさまでした! (2021年3月13日 11時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます!!作者は更新時間まばらですが、これからも精一杯頑張らせていただきます!今後もよろしくお願いします! (2020年8月26日 12時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 続編おめでとうございます! とても楽しくお話を読ませていただいています! 楽しいお話の中にちりばめられた謎がとても気になって……! これからも読ませていただきます! 続きを楽しみにしていますね! (2020年8月26日 8時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» ありがとうございます!予定では続編でちゃんと終われるはず!頑張りますのでお楽しみに!コメントありがとうございます! (2020年8月26日 5時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2020年8月25日 23時