では彼で、君の予想が合っているか試してみようか ページ27
｢――――――――カハッ｣
地面が擦れる音。転がる体。ヴィーシャの痛みに呻く悲鳴。
Aたちの横を通り抜けたのは風ではなくヴィーシャだった。飛ばされたあまりの速さに風と錯覚してしまったのだ。
｢ヴィーシャ！！｣
エルが駆け寄ろうとして、ヴィーシャ自身がそれを制した。抉れた腕を押さえて起き上がる。
｢･･････爆発した。気をつけろ｣
爆発？音も光も何も無かったのに？
揃ってノヴァーレを見る。彼はオリオンの剣を抑えながらもニンマリと笑った。
｢ヒントを教えてあげるね。僕の得意魔法は火だ｣
得意魔法が火で、攻撃は爆発。関連性があるように感じる。火で、爆発･･････。
｢･･････つまり、自分が起爆剤･･････？｣
思ったことを口に出すと、ノヴァーレがぐるりとこちらを向いた。ニンマリと笑うのに目が全く笑っていなくて｢ひっ！｣と小さく悲鳴が漏れた。
｢へぇ。ファグゲイルと契約した人間は意外と頭が切れるようだね｣
返答を聞くに、おそらく考え方はそれで合っているようだ。ノヴァーレ自身が起爆剤となり、爆発の圧力のみを外に放出しヴィーシャを飛ばしたのだろう。すぐに分かる。これはかなりチートな魔法だ。
｢では彼で、君の予想が合っているか試してみようか｣
彼――――話している今まさに剣を突こうとしているオリオンのことだ。
突きを避けるとノヴァーレはオリオンの額に指を置いた。
｢ッ！？オリオン逃げて！！！！｣
｢もう遅いよ｣
パンッと乾いた、まるで拳銃のような音。分かっていたのに。次にどんな技が出るか分かっていたのに防ぐことが出来なかった。
オリオンの頭が弾かれたように後ろへ傾きドサリと倒れる。額から流れる血が止まらない。
｢あ･･･あぁぁぁ･･････！！！｣
ピクリとも動かないオリオン。瞳が潤む。どうしよう、僕のせいだ。
｢そういえば、さっきファグゲイルが移動したのは君の魔法かな？｣
コツン。歩いてくる。魔王が近付く。
｢―風の精霊 疾き者 我らを守る鋭き盾になれ！｣
ノヴァーレの目が見開く。頬に一文字。クルシュの矢が初めてノヴァーレに傷をつけた。
｢それ以上近付くな｣
クルシュは次の矢を構えた。エルとファルがAを庇い後ろに下がる。
ノヴァーレは面白くないように目を細めた。
その子はお前たちの何？→←まさかこれが本気とは言わないよね？
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埋夜冬(プロフ) - 千々さん» 最後までお読み下さりありがとうございます！！！もう本当にありがとうございます！超絶励みになってました！(語彙力) 主人公くんに万が一飽きると魔王様が攫う気満々ですが、その前にエル様がガードしにきます。玩具を取られたくないからね！！ガードが多いね主人公！ (2021年3月13日 11時) (
レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 完結おめでとうございます！ とても面白かったです！ やっぱりファルの主人公に対する執着がいいなあと思いました。そしてファルが主人公に飽きる日は来ないらしいですが、もしそんなことになったら私が主人公を守りにいきます(( 本当にお疲れさまでした！ (2021年3月13日 11時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます！！作者は更新時間まばらですが、これからも精一杯頑張らせていただきます！今後もよろしくお願いします！ (2020年8月26日 12時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 続編おめでとうございます！ とても楽しくお話を読ませていただいています！ 楽しいお話の中にちりばめられた謎がとても気になって……！ これからも読ませていただきます！ 続きを楽しみにしていますね！ (2020年8月26日 8時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» ありがとうございます！予定では続編でちゃんと終われるはず！頑張りますのでお楽しみに！コメントありがとうございます！ (2020年8月26日 5時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2020年8月25日 23時
