第4話 ページ6
久々の全力ダッシュに呼吸が死にそうになりながら帰ってきた。時刻は22時。昨日よりは早い帰宅だ。
できれば彼女とヨリを戻したとかで帰っていますように!
ガチャ・・・とドアを開けた。
「おかえり」
ジュー、と肉の焼ける音。空腹を刺激する美味しそうな匂い。キッチンにはイケメンがフライパンを片手に盛りつけをしているところだった。
「あれ?まだ彼女と仲直りしてないの!?」
「何の話かな?」
あ、脳内会議がついつい口をついて出てしまった。さすがにイケメンも困惑している。
「ご、ごめんなさい!こっちの話だから気にしないで」
慌てて返すとイケメンは、ふぅんと興味なさげに反応した。この感じからしてゴミ捨て場にいた理由は彼女関連では無さそうだ。
「まあいいや。ハンバーグできたけど食べる?」
仕事から帰ったら手作りご飯が待ってるとか良妻なのかな!?
・・・ダメだ。疲れて頭がおかしくなってる。最近料理をしてないしちゃんとした料理なんて久しぶりだから、テンションが上がりすぎてしまったようだ。
「い、いいんですか?」
聞くとイケメンは優しい茶色の瞳を細めて、
「もちろん」
と言った。夜なのに眩しい。笑顔が自発光している。直視してしまったので微笑みが目に焼き付いてしまった。美の威力が強い。
小さな丸机にレストランに出てくるような形のいいハンバーグが並ぶ。野菜は彩り豊かで光っており、隣の白米も炊きたてで美味しそうだ。
というかこの食材はどこで!?冷蔵庫の中とか料理しないからと空っぽだったはずだ。
「食材はもらった5万円から。他の新しいやつもその範囲内だよ。変なものは入ってないから安心して」
どうやら食材だけでなく、服や歯ブラシなども買ってきたようた。自分の部屋を見渡したが今朝より整っている気がする。そして所々見たことないものが増えている。
「あの、あなたは・・・何でこんなことしてくれるんですか?」
ご飯作りや部屋の掃除、洗濯まで。お互い他人同士なのにどうしてここまでやってくれるのだろう。
「ご飯を食べながら話そうか。熱々が1番美味しいからね」
イケメンに倣い、いただきますとお礼をしてから食べる。
モグモグしながら、イケメンからの言葉を待った。
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*-七海-*@めぐ民 - う〜ん…泣ける!もう、今我情緒不安定だからww涙めっちゃ出るんやけどww (2020年8月25日 21時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» なりましょう!(2人は我らが見てるって事を知らないのだな…) (2020年8月11日 23時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» よし!2人で木になりましょう!!! (2020年8月9日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» wwwじゃあ、我はその木の枝役に立候補します!!ww (2020年8月9日 22時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» でしょう!?私はめちゃくちゃイケメンな相手にやってるのを見る木の葉役に立候補します!!! (2020年8月9日 13時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2020年6月28日 22時