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第28話 ページ30

ポロポロと、まるで宝石のように輝く涙が落ちていく。ハクハクと動く口は言葉を発せないらしい。
嗚呼、自分は何度、大切な相手の涙を見るのだろう。
宝石を指で拭う。Aは黒い瞳に涙をいっぱい溜めてサクヤを見た。

「なっ、なんで・・・・・・?何で『待ってる』なんて言うの・・・・・・?」

そんなの来るしかないじゃないか。いくら会いたくなくても。会ってしまったら止められないほど想いが溢れると分かっていても。

「俺言ったじゃん!サクヤを大切な人にしたくないって・・・・・・!俺の近くにいたら、怪我とか、死んじゃうから、そうなってほしくないから!なのに・・・・・・何で『待ってる』なんて・・・・・・」

声を上げて、子供のように泣きじゃくりたい気分だった。自分の中で感情が暴れてどうしようも無い。

「―――――会いたくて寂しくて、好きで、好きだからずっと我慢してたのに」

もう、めちゃくちゃだ。
感情のまま叫ぶ前に、ぎゅうっと抱きしめられる。痛いくらいにAを覆うサクヤの顔が見えない。身長差からか胸板あたりについた手からは速い鼓動が聞こえてくる。サクヤの、心臓の音。

「大丈夫。俺はちゃんといる。生きているから。怖がらなくていいんだよ。人を愛することを忘れようとしなくていい」

声と髪を撫でる手があまりにも優しくて。
もう我慢するのは無理だと、サクヤの服を強く握って嗚咽を漏らした。

「言ったでしょ。偶然が重なっただけ、誰のせいでもないって。心の穴は俺が埋める。寂しいときは俺がこうして、抱きしめるから」

だから、大切な人にしたくないなんて嘘をつかないで。

これはサクヤの悲鳴だ。離れられないくらいぎゅうぎゅう抱きしめるサクヤが、Aの過去を聞いてからずっと心に秘めていた思い。

ねぇ、知ってる?俺はとっくに、Aがいないと苦しいほど心が痛いんだよ。Aのことで心から喜べるほど、愛しく思っているんだよ。

いつからとか、どうしてとか、そんなもの説明できない。きっかけなんて出会ったその時からがきっかけなのだ。
だって、恋や愛は、そういうものだもの。

「俺はAが好きで、一緒にいたくて、愛しているよ。Aは?」

抱きしめる力を少し緩めて、Aと目を合わせる。まだ涙は溢れていて止まりそうにない。

「いっ、いいの・・・?おれ、サクヤと一緒にいたいって、ずっと隣にいてほしいって、願ってもいいのッ・・・・・・?」

嗚呼、やっと聞けた。
サクヤの笑った顔が、答えだった。

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*-七海-*@めぐ民 - う〜ん…泣ける!もう、今我情緒不安定だからww涙めっちゃ出るんやけどww (2020年8月25日 21時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» なりましょう!(2人は我らが見てるって事を知らないのだな…) (2020年8月11日 23時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» よし!2人で木になりましょう!!! (2020年8月9日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» wwwじゃあ、我はその木の枝役に立候補します!!ww (2020年8月9日 22時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» でしょう!?私はめちゃくちゃイケメンな相手にやってるのを見る木の葉役に立候補します!!! (2020年8月9日 13時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2020年6月28日 22時

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