第27話 ページ29
初めて聞いた、Sakiの苦しそうな声。きっとこれを伝えたい人がいて、それを歌詞にしたのだろうと想像できた。こんなにも誰かに愛されて、叫ぶくらい想いを言葉にしてもらっているのは純粋に羨ましく感じた。
ふと、ライトが当たる首元に目がいった。キラキラ光るそれは、Sakiがつけているのを見たことの無いものだった。ネックレスだ。
見た事のある、首にかかるドッグタグ。
｢ッ―――――！？｣
いやいや、似ているだけかもしれないし。でも、もし･･･。
息をするのも忘れて、Sakiを見る。マイクを持つ右手首に、抱きしめて寝るようになったぬいぐるみについているリストバンド。
思わずぬいぐるみを持ってきて確認する。カメラ越しなので画像は粗いが、同じリストバンドだと思う。色と、ロゴの感じが同じだ。
これ･･･。ってことはSakiは･･･！！
よく見ればわかる。狐面から見える茶髪も、少し低い声も、高くなる声も。
――――――――サクヤじゃないか。
［君と紅葉を見た 繋ぐ思いをかけたあの場所で 待っている ずっと ここにいるよ］
声が、狐面から覗く目が、伸ばされた手が、物語っていた。
『紅葉の夜景を見たあの場所に俺はいる』。
ギターの音で曲が終わった。狐面はずっと画面を見ている。肩で息をして、ただじっと。
まだ、伝えたい事があるのだとわかる。
［･･････待ってる］
たったそれだけ。でも分かってしまった。サクヤは紅葉を見たあの場所に行くつもりなのだ。
いても立ってもいられない。掛かっているジャケットをひったくるように取り外へ飛び出した。
行かなきゃ。行かなきゃいけない。あんなストレートな
少しの坂道を登って、頂上の辺りで息を整える。久々に走って肺が痛い。酸素が足りない。何度も深呼吸して、恐る恐る頂上を見る。
いたらどうしよう。
いなかったらどうしよう。
｢あ･･･｣
人は―――――――いた。柵の部分を持って、紅葉の方を見つめている。
その人物はAに気付くとゆっくりとこちらに歩みを進める。Aは進むことも下がることも出来ずに近付いてくる人影を見つめていた。
夜でもわかる、綺麗な茶色の瞳がAを見て愛おしげに微笑んだ。
｢来てくれるって信じてた｣
声を聞いた瞬間、Aの目から涙が零れた。
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*-七海-*@めぐ民 - う〜ん…泣ける！もう、今我情緒不安定だからww涙めっちゃ出るんやけどww (2020年8月25日 21時) (
レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» なりましょう！(2人は我らが見てるって事を知らないのだな…) (2020年8月11日 23時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» よし！2人で木になりましょう！！！ (2020年8月9日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» wwwじゃあ、我はその木の枝役に立候補します！！ww (2020年8月9日 22時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» でしょう！？私はめちゃくちゃイケメンな相手にやってるのを見る木の葉役に立候補します！！！ (2020年8月9日 13時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2020年6月28日 22時
