薬草があまりにも有能すぎる ページ8
翌朝。とてもお腹が空いているのに食べるものがココナットゥぐらいしかないことに気付いた。よく考えたら魚は生ものなのだから、しなきゃいけないことがあったと考えてももう遅い。ごめんな魚。せっかく捕ったのに食べずに捨ててしまうことになるなんて。
「・・・とりあえず薬草だけでも食べるか。あとココナットゥも」
ココナットゥはどうやって割るのだろう。石かな?外に出て大きい石にココナットゥを打ち付ける。当たった場所が良かったのか、ココナットゥは割れた。汁が全てこぼれないように割れた部分を上にして家に戻る。ボウルに中の汁、実は真っ二つにして中身を取りだした。それから取ってきた薬草も準備する。
「・・・いただきます」
どれも食べないよりはマシだ。意を決して平らげる。
結論、生のココナットゥはあまり美味しくなかった。甘さもないし、中身はコリコリとしていて少し味がクドく感じる。普段から知っている味ではなくてちょっぴり残念だ。
薬草は、ほうれん草のような味がした。スムージーにしたり材料を集めてアレンジ出来るかもしれない。
「さてと。魚を取りに行って、バリアの範囲でも確かめに行こうっと」
「グウゥ」
「わ!?」
変な鳴き声が聞こえた。声が聞こえた方を見ると、白い体に金色の瞳をしたイグアナみたいなのがいた。
「え、トカゲ?」
体も瞳の色も昨日助けたトカゲみたいなものにそっくりだ。というか、これはご本人だろう。傷もないし、体は大きくなっている。これも薬草の効果なのか?だとしたらすごい。薬草はこんなに有能だったのか。知らなかった。
イグアナみたいなのはAの足元に来ると、すりっと頬を寄せた。どうやら懐かれたようだ。
「おはよう。昨日の怪我治してくれたのは君なの?ありがとう。でも、人の血は危険だから舐めちゃ駄目だよ」
抱き上げると「分かった」と言うようにイグアナみたいなのは頷いた。小型犬ぐらいの重さだ。昔従兄弟が飼っていたイグアナを抱かせてもらったことがあるが、こんなに軽くなかったぞ。
「今から魚捕りに行くんだけど・・・一緒に行く?」
頷いたイグアナみたいなのはまた頬を擦り寄せる。ここまで甘えられると可愛く見えてくるなぁ。
「うん、じゃあ一緒に行こうか」
イグアナにしては滑らかな肌を撫でて外へ出た。今日は魚が捕れるといいな。
ところでこのイグアナみたいなの、一体何を食べるのだろう?
イグアナに転生したら魔法使えたかもしれない→←トカゲっぽいのも魔法が使えるからやっぱりバグなのでは?
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埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» わぁ!ありがとうございます!転生ものにハマってからずっと書きたかったものなのでそんなに褒めてもらえて嬉しい限りです!これからも応援よろしくお願いいたします! (2020年8月2日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわありす(プロフ) - 初めまして。初期の頃から楽しく読ませてもらってます。オリジナル作品でこんなに面白くて設定がしっかりしているなんて、尊敬します…。文章力も羨ましい限り(泣) 応援しております、頑張ってください!!楽しみに待ってますっ (2020年8月2日 21時) (レス) id: 4a3a7aaa8a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます!!サブタイトル忘れてることに気付いて慌ててつけました(笑)まだまだ続きますので、これからも応援よろしくお願いします!コメントありがとうございました (2020年6月28日 7時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - やっぱこの作品好きだなぁ。初期の方から応援させていただいているんですが、サブタイトルだったりお話の展開をものすごく楽しみにしています! (2020年6月28日 7時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2020年4月15日 6時