はぇーあの牛ブランド品なんですかァ!!? ページ42
しばらく歩くと今度は牛みたいなモンスターが出てきた。知ってる牛と違うのは羽が生えているところ。こっちの世界の牛って飛べるんだなぁ、なんて現実逃避をする。もう驚かないからな!
「次は私だな」
矢を持ったクルシュが飛びながら威嚇する牛を見据える。Aはすぐにステータスを起動して牛の詳細を知った。
フレーモーン
〔強靭な羽で空を飛ぶ暴れ牛。羽は上質な羽毛に、肉は高級ブランドとして評価されている。レベルにより売れる値段は変化する。〕
はぇーあの牛ブランド品なんですかァ!!?
つまりクルシュが撃ち落として誰かが捌けば大事な食糧となるわけだ。
エルのアイテムボックスにも保管出来れば野宿でも相当いい食事が出来そう。売ったらお金にもなるらしいし。
クルシュは一気に5本の矢を構える。牛は5頭、矢も5本。まさかあれだけ忙しない動きをしているフレーモーンに当てる気か!?
「術式展開」
そうクルシュが言うと、矢の先に陣が現れる。小さい緑の陣だ。
パッと指を離したクルシュ。矢は陣を抜けた瞬間、ヒュッと音を立てて一気にフレーモーンたちへ向かった。物凄いスピードだ。グオードと対峙した時の速さの比じゃない。
空を旋回する牛の首に矢が刺さる。5頭全てに、的確に、深々と。
牛たちは重力に従い倒れ落ちた。そこへ行くと牛は既に死んでいて羽が力なく横たわっている。
「矢には即効性の毒が塗ってある。苦しませず、一瞬で逝けるようにな」
グオードとの戦いで学んだクルシュは矢の先に毒を塗っておいた。知り合いの魔法薬学の先生だとか。
クルシュはフレーモーンの傷口に、アイテムボックスから取り出したガラス瓶の中の液体をかけていく。
「これは解毒剤だ。毒はこの薬で分解され消える。食べても問題ないぞ」
えぇ〜・・・。
まあ王子がいる中でも大丈夫だと言っているのだから本当に大丈夫なのだろう。現にエルは「食糧が増えたね」と喜んでアイテムボックスに入れている。
「あれはまあまあ難易度がある魔法だな」
隣でファルが魔法の説明をしてくれるようだ。
「あの女は確か風魔法の使い手か。物体を風に乗せるのは、小さいものであるほど大変だ。矢に乗せるのも、いくら得意でも詠唱をしなければならない。が、術式だけで出したのは相当の手練だな」
エルの時のようにファルが人を褒めている。Aの中ではファルよりすごい人を見たことがないので、そのファルが褒めていることから「やっぱりエリート集団なんだ」と感じた。
いつか本当の事を話しても、嫌わないでくれるか→←前座にもならないね
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埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» わぁ!ありがとうございます!転生ものにハマってからずっと書きたかったものなのでそんなに褒めてもらえて嬉しい限りです!これからも応援よろしくお願いいたします! (2020年8月2日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわありす(プロフ) - 初めまして。初期の頃から楽しく読ませてもらってます。オリジナル作品でこんなに面白くて設定がしっかりしているなんて、尊敬します…。文章力も羨ましい限り(泣) 応援しております、頑張ってください!!楽しみに待ってますっ (2020年8月2日 21時) (レス) id: 4a3a7aaa8a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます!!サブタイトル忘れてることに気付いて慌ててつけました(笑)まだまだ続きますので、これからも応援よろしくお願いします!コメントありがとうございました (2020年6月28日 7時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - やっぱこの作品好きだなぁ。初期の方から応援させていただいているんですが、サブタイトルだったりお話の展開をものすごく楽しみにしています! (2020年6月28日 7時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2020年4月15日 6時