前座にもならないね ページ41
これからの旅の仕方を話しながら進んでいく。食糧に困ることはないらしい。エルの膨大な魔力により大きなアイテムボックスがあるようで、料理はそこから出る仕組みになっている。
それに、このモンスターだらけの森にもいくつか村があるそうで、そこでもお世話になる予定だそうだ。恐らくあの木の家みたいに結界でも張っているのだろう。
本当にラノベで見た冒険展開そのものだ。自分が倒す側でなければ楽しめた。
スキルしかないのに!なんでプレイヤー側なんですかね神様!!?
「おや、早速現れたみたいだよ」
全員が歩くのを止め辺りを警戒する。ファルはすぐにAを庇い、クルシュとラナストがエルを守る態勢になり、オリオンがハルとヴィーシャを後ろに剣を構えた。
草をかき分けて集まってきたのはあのウサギモンスターだ。ギョロギョロとした目がこちらを見る。相変わらず気持ち悪いな!!
「クルシュ、ラナスト。初めは私の番だよね?」
『守らなくていい、邪魔だ』と伝えているのがAにも分かった。クルシュたちは短く返事をして後ろに下がる。
エルは前へ出ると手をかざした。なんの異変もない。・・・と思っていたらこちらを狙い間合いを詰めているウサギモンスターたちの上に、ホタルの光ぐらい小さなオレンジの粒があった。
「全く、前座にもならないね」
その言葉とともにエルはかざした手をフッと下ろした。瞬間、上にあった光がウサギモンスターたちに当たり燃え上がる。
あのギェェェという声を出して、ウサギモンスターは丸焼きになってしまった。
「さすがだな。ズレもなく真上に出して当てるとは、また強くなったんじゃないか?」
オリオンはエルにニカッと笑いかけた。クルシュもラナストも、砕けた言い方に特に言っていないから、王子と勇者は仲がいいらしい。
「弱くはいられないからね」
王子だから。という本当に小さな呟きが聞こえたのは何人いただろうか。いつも裏がありそうで怖いエルだが、こうなった理由はちゃんとあるんだと思うと悲しい話な気がする。
「あれは火炎魔法だ。火炎の基礎だが、あの小ささで丸々燃やす威力は大したものだな。それに位置も正確だ」
隣のファルが教えてくれる。やはりエルの魔法はファルでも感心するレベルなのか。さすが王子。
「まあ初めはこのくらいでいいかな。さぁ進もうか」
白い正装を靡かせて、エルは先陣を切って前へと進んだ。
はぇーあの牛ブランド品なんですかァ!!?→←ファルがいないと僕多分死ぬんで・・・
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埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» わぁ!ありがとうございます!転生ものにハマってからずっと書きたかったものなのでそんなに褒めてもらえて嬉しい限りです!これからも応援よろしくお願いいたします! (2020年8月2日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわありす(プロフ) - 初めまして。初期の頃から楽しく読ませてもらってます。オリジナル作品でこんなに面白くて設定がしっかりしているなんて、尊敬します…。文章力も羨ましい限り(泣) 応援しております、頑張ってください!!楽しみに待ってますっ (2020年8月2日 21時) (レス) id: 4a3a7aaa8a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます!!サブタイトル忘れてることに気付いて慌ててつけました(笑)まだまだ続きますので、これからも応援よろしくお願いします!コメントありがとうございました (2020年6月28日 7時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - やっぱこの作品好きだなぁ。初期の方から応援させていただいているんですが、サブタイトルだったりお話の展開をものすごく楽しみにしています! (2020年6月28日 7時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2020年4月15日 6時