特殊スキル［集中］のみで転生は絶対バグだよ！？【オリジナル】

王族騎士団or魔王討伐！？ ページ33

王族騎士団ってあのクルシュさんたちみたいな？モンスターと戦ったり王様守ったりするあの騎士団？

｢な、何故ですか！？｣

Aがエルを見ると、エルは笑みを深くした。ああ、この顔は予想がついてしまった。悪巧みをしている顔だ。

｢洞窟の主を倒しただろう？｣

ギルドに入ったばかり、一発目の依頼で主を倒した。誰にでもできることでは無いのは明白だ。

｢あの程度騎士の奴らでも倒せただろう｣

ファルが言った言葉にアケール陛下が首を横に振った。

｢大軍で行くならまだしも、たった2人で倒せるものは早々いないだろうな｣

いやあれは実質ファル一人･･･。
なんて言える雰囲気ではなかった。怖い。

｢王国騎士団に入り鍛錬を積み、より強く、より強固な盾となり我が国を守ってもらいたい｣

高い位置に座っている陛下がAたちを見下ろす。どうだ？と目が言っている。これはきっと｢喜んで｣が返答として正解なのだろうが、正直騎士団には入りたくない。キツそうだし怖そうだし、何より自分に魔法の才能も体力もないのだから。

｢名誉な申し出だが、お断りだ｣

吐き捨てるように言ったファルを陛下が見る。ほぅ、と陛下が片眉をあげた瞬間空気が一気に冷えた気がした。
アッこれは終わった不敬罪で処刑される･･･ッ！！！

｢ではもう1つの選択肢を選んでくれるのかな？｣

もう1つの選択肢？
エルが言った言葉に首を傾げる。

｢私が集めた仲間と共に魔王討伐軍に参加してほしいんだ。君たちがいたら心強いのだけれど｣

魔 王 討 伐 ！ ？

魔王ってあのよくファンタジーものに出てくる魔王？めちゃくちゃ強いラスボス様？

｢王国騎士団に入って鍛錬を積むか、魔王討伐に出向いてくれるか。二つに一つだ｣

拒否権なし。ボロボロになるまで鍛錬するか、魔王城に向かって足手まといになるか。

｢ハッ、勝てると思っているのか？相手は魔王だぞ｣

心底馬鹿にした笑いを漏らしたファルは陛下とエルを見て片方だけ口角を上げた。

｢それに先代の勇者サマだって倒せなかっただろ｣

勇者は魔王を追い詰めた。だが倒してはいない。勇者はボロボロになりながら一人だけで帰還し、すぐに亡くなった。

｢そうだよ。でも壊滅状態にすることは出来た。確実にね。だから追い打ちをかけて、本格的に潰したいんだ｣

にこやかな顔とは裏腹に言っていることはかなり悪だ。国に実害があるようには思えないがこの国のことはよく分からないし、ほとほと困っているのかもしれない。

だからお前たちは嫌いなんだ→←国王様と謁見するには礼儀レベルが足りないと思うんだ！！

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