国王様と謁見するには礼儀レベルが足りないと思うんだ!! ページ32
その後ギルドへ行くと、この前の洞窟の主を倒した期待の新人だと噂が広がっていて、わざわざAとファルを指定して依頼する者まで現れた。
暗黙のルールとして『1番高い金を積んで依頼されたものを遂行する』というのがあるらしく、依頼される内容は簡単なのに成功報酬はとんでもなく高い。もちろんお金が貯まるのは嬉しいが、何だか悪徳商法みたいだ。
そんな中、エル王子から手紙が来た。話があるから城に来てほしい。要約するとこんな感じだ。
ということで、ファルとともにお城にやってきた。あれから貯まったお金で礼儀作法の本を買ってみたが、たくさんありすぎて全く頭に入ってこなかった。とりあえず今回も、ペコペコお礼作戦でいこう。
「突然呼び出してすまないね。父上が会いたいと言っていたので来てもらった」
にこりと笑顔を浮かべてエルは言う。
え、待って?父上?エル王子の?ってことは・・・・・・レンドルア王国の王様じゃん!!!
サーっと全身から血の気が引く。礼儀作法も知らないのに国王と会うのか。こんなことになるなら徹夜して礼儀作法を頭に叩き込んでおくべきだった。拒否権とか絶対ないじゃないか。一体どうしたらいい?
「安心して、行動は私の真似をしてくれればいいよ」
その一言にAは丸め込まれてしまって、国王と謁見することになってしまった。
ガチガチに緊張しているAとは対照的に、ファルは欠伸をして眠たげな顔だ。どうしてそんなに余裕でいられるんだ。王様だよ?この国で1番偉い人だよ?
「それじゃあ入るよ」
エルの言葉に生唾を飲み込む。
エルの行動を真似るだけ。僕はロボット、僕はロボット・・・。何度も言い聞かせてから国王が待っている部屋へ入った。
「よくぞ来てくれた。A、ファル」
王座に座っているのは少しシワが刻まれている、威厳に満ち溢れたおじ様。この方が、現国王・アケール陛下だ。
エルに倣いお辞儀をする。ファルも少しだけ頭を下げた。
「顔をあげよ。ギルドでの噂は私の耳にも入っている。良き成果をあげているようだな」
「は、はい。ありがとうございます」
顔上げて陛下を見る。エルが微笑んで頷いたのでたどたどしい言葉で返事をした。
「早速だが、その活躍を見込んで願いがある。エル」
「はい」
立ち上がったエルは白い正装を靡かせて歩く。Aたちの向かいに立ってまた人好きのする笑みを浮かべた。
「君たちに、王国騎士団に入ってもらいたいんだ」
・・・・・・・・はい?
王族騎士団or魔王討伐!?→←全然寂しくなんかないんです、マジで
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埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» わぁ!ありがとうございます!転生ものにハマってからずっと書きたかったものなのでそんなに褒めてもらえて嬉しい限りです!これからも応援よろしくお願いいたします! (2020年8月2日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわありす(プロフ) - 初めまして。初期の頃から楽しく読ませてもらってます。オリジナル作品でこんなに面白くて設定がしっかりしているなんて、尊敬します…。文章力も羨ましい限り(泣) 応援しております、頑張ってください!!楽しみに待ってますっ (2020年8月2日 21時) (レス) id: 4a3a7aaa8a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます!!サブタイトル忘れてることに気付いて慌ててつけました(笑)まだまだ続きますので、これからも応援よろしくお願いします!コメントありがとうございました (2020年6月28日 7時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - やっぱこの作品好きだなぁ。初期の方から応援させていただいているんですが、サブタイトルだったりお話の展開をものすごく楽しみにしています! (2020年6月28日 7時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2020年4月15日 6時