ギルドマスターが怖すぎる件 ページ26
お姉さんに案内されて入った部屋は大きい皮のソファーがあった。Aたちはそこに座る。ファルはこんな時でも足を組んでいるが、Aはこれからどうなるのかと縮こまっている。
いなくなったお姉さんの代わりに入ってきたのは、仙人のような髭をしたおじいさん。
｢水晶を壊したのはどちらだ｣
威厳ある声が部屋に響く。目があった瞬間冷や汗が止まらない。これはやはり弁償ルートで、自分が思っているよりも酷い仕打ちが待っているかもしれない。
｢･･･ぼ･･･僕です･･･｣
恐る恐る手を上げると、仙人のようなおじいさんは一言、｢おお｣と言っただけだった。向かいに座り、強い意志を宿した双眸がAを見つめる。ギルドマスター感漂うおじいさんだ。
｢そう怯えるでない。怒ってはおらぬ。儂はギルドマスターのガルムと言う。このギルドでパーティ登録をしてくれて感謝するぞ。さてA。お主は何者だ？｣
あっ、やっぱりギルドマスターなんだ。と思ったのもつかの間、すぐに辺りを厳しい空気が支配する。
｢いっ、一般人です･･･ッ！！｣
もうこの空気が怖い。絶対怒ってるじゃん！
｢あの水晶を割ったのは最高値の魔力量を誇るエル王子だけであった。だが同じように割る者が現れた。つまり、王子ほどの魔力量があるということ。･･････なぜ今まで現れなかった？幼少期の検査をどうくぐり抜けた？｣
幼少期の検査？そんなのがあるのか！というか王子も割ったのか。
知らないことばかりを質問されている。自分では答えられない。どうしたらいい？
｢おい、困ってるのが分からないのか？これ以上質問をするならば帰るぞ｣
下を向いて冷や汗をかいていたらファルが肩を抱き寄せる。Aを守るかのようにガルムを睨んだ。
｢いや、すまぬ。年甲斐もなく興奮してしまった。許してくれ｣
ふん、と鼻を鳴らしたファルが力を緩めた。ガルムも落ち着いたようだ。
｢いや何、エル王子の時より激しい割れ方であったのでな。お主、恐らくエル王子を超えた魔力量を持っておるかもしれん｣
最高値の魔力量を誇るエルよりも多い魔力量を持っている。それはとても困ったことになる。
もともとレンドルア王国は魔力量で人を分けている節がある。だからといって魔力量の低い者を見下すことは禁じられているが、魔力量の高い者は優位になる。王子は王を超えた魔力量を持っているから支持を集めているところもあるのだ。
つまり、Aがそれを超えれば王子よりも優位に立ててしまう。
よくよく考えたら同意の上だとしても犯罪になるのでは？→←待て待て、今しちゃいけない音がしたんだけど
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埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» わぁ！ありがとうございます！転生ものにハマってからずっと書きたかったものなのでそんなに褒めてもらえて嬉しい限りです！これからも応援よろしくお願いいたします！ (2020年8月2日 22時) (
レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわありす(プロフ) - 初めまして。初期の頃から楽しく読ませてもらってます。オリジナル作品でこんなに面白くて設定がしっかりしているなんて、尊敬します…。文章力も羨ましい限り(泣) 応援しております、頑張ってください！！楽しみに待ってますっ (2020年8月2日 21時) (レス) id: 4a3a7aaa8a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます！！サブタイトル忘れてることに気付いて慌ててつけました（笑）まだまだ続きますので、これからも応援よろしくお願いします！コメントありがとうございました (2020年6月28日 7時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - やっぱこの作品好きだなぁ。初期の方から応援させていただいているんですが、サブタイトルだったりお話の展開をものすごく楽しみにしています！ (2020年6月28日 7時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2020年4月15日 6時
