待て待て、今しちゃいけない音がしたんだけど ページ25
外にある『英雄』と書かれている像の横を通り過ぎて中に入ると、ものすごい数の人がいた。
見るからに強そうなオーラを放つ黒マントの人や、屈強な大男、シスターみたいなお姉さんや魔法の杖みたいなものを持ったケモ耳の女の子。
真ん中に受付があって、壁は依頼書だらけだ。
まさしく、アニメで見たようなギルド。興奮しないわけが無い。
「すっごい・・・!!」
自分でもわかるくらい目を輝かせて周りを見る。凄く広い建物で迷ってしまいそうだ。
ファルがしっかり手を繋いでいるので迷子にならなくて済みそうな点は幸いだろう。
「まずは受付を済ませるか。どこか見たいところがあるなら考えておけよ、案内する」
「うん!」
手を引かれて受付に行くと、笑顔が綺麗なお姉さんが「ようこそ、冒険者ギルドへ」と迎えてくれた。
「2人でパーティを組みたいんだが、出来るか?」
「はい、可能ですよ。ではこちらの書類を記入してください。記入が終わりましたら、魔力と属性を測らせていただきます」
分かったと返事をしたファルがスラスラと空欄を埋めていく。この世界の言葉は日本語なのでAでもわかるのはありがたい。てっきり神様がくれた説明書だけ日本語なのかと思っていた。
「はい」
ファルが全部埋めてくれたので見ていただけで、次の工程に移ったみたいだ。
「ではこの水晶に手を置いてください」
置かれた水晶は占いで出てくるような水晶だ。これに手を置くと、魔力の数値が出て属性の色に光るらしい。
「A」
属性がないのは知っているけど、魔力量はちゃんと知らない。どれくらいだろうか、楽しみだ。
水晶に手を置いてほんの少し待つ。水晶が震え出した。こういう物なのかな?
ピシッ パリンッ
「え?」
待て待て、今しちゃいけない音がしたぞ。
恐る恐る手を離すと、水晶が真っ二つだった。
「ひぇっ・・・!」
「さすがだな」
「あらまぁ・・・・・・」
壊しちゃった!?どうしよう弁償できるお金がない!そもそも魔力測ったりする水晶だからとんでもない金額なんじゃ・・・・・・!!!
やばい・・・っ!と震えていると、受付のお姉さんが立ち上がった。
「A・ハーネイトさん、ファルさん、奥の方でお話しましょうか」
アッ、これは弁償ルートだお金がないからここで馬車馬の如く働くことになるんだ。
こちらへ、とお姉さんに案内されてファルと共に受付の裏にある部屋へ入った。
ギルドマスターが怖すぎる件→←僕達って今無一文なんじゃ・・・!?
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埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» わぁ!ありがとうございます!転生ものにハマってからずっと書きたかったものなのでそんなに褒めてもらえて嬉しい限りです!これからも応援よろしくお願いいたします! (2020年8月2日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわありす(プロフ) - 初めまして。初期の頃から楽しく読ませてもらってます。オリジナル作品でこんなに面白くて設定がしっかりしているなんて、尊敬します…。文章力も羨ましい限り(泣) 応援しております、頑張ってください!!楽しみに待ってますっ (2020年8月2日 21時) (レス) id: 4a3a7aaa8a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます!!サブタイトル忘れてることに気付いて慌ててつけました(笑)まだまだ続きますので、これからも応援よろしくお願いします!コメントありがとうございました (2020年6月28日 7時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - やっぱこの作品好きだなぁ。初期の方から応援させていただいているんですが、サブタイトルだったりお話の展開をものすごく楽しみにしています! (2020年6月28日 7時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2020年4月15日 6時