集中ってそういうことか!! ページ14
スキルを使った?今?
「どういうこと!?」
分からない。何だこれ。スキルを使うと魚が集まるのか?意味が分からない。
確かスキル名は[集中]だったはずだ。魚が来ることと集中に、何の関係があるのだろうか。
「こうなる前、何を考えていた?」
「えっと・・・下りたくないな〜とか・・・」
「他には?」
「・・・この川にいる魚がここに集まってくれればいいのになぁって」
「それだ!」
ファルに肩を掴まれる。何が『それだ!』なのかAは全く分からないが、ファルは何か分かったようで考えを巡らせている。そんな姿も絵になるカッコ良さだ。
「Aはここに魚を集めたのか」
言いたいことが分からなくて首を傾げると、優しく微笑んだファルは説明してくれた。
「つまりAは、ここに魚を"集中させた"んだ」
Aは大きく目を見開いた。
なるほど、自分は転生前は学生だったので集中といったら『勉強に集中する』などの意識の問題だった。しかしこの集中は、一点に集めることを指していたのだ。
自分が願った『この川にいる魚が全部ここに集まればいいのに』のせいで特殊スキルが発動し、川にいる全ての魚が一気に集まったということだろう。
おかげで食事には困りそうになかったが・・・それはあまりにも。
「チートすぎでは・・・?」
この力があれば何でも自分の元に現すことができる。人だろうと宝石だろうと金だろうと。そんなことは勿論するつもりは無いが、知られたら大変なことになりそうな予感がする。
「特殊スキル[集中]・・・。俺も聞いたことの無いスキルだ。とりあえず今のようにならないよう魔力の制御をしよう。まずはそれからだ!」
ファルは心の中でステータスと念じる。今のでAが魔力をどれほど消費したのか見るためだ。
「・・・嘘だろ・・・」
知った事実に目を見開く。
Aの魔力を制御しているファルだからこそ感じた、膨大な魔力量。あれは普通ならかなりの力を消費しているはずだ。初めてスキルを使ったのなら尚更。
だが、消費された魔力は1。
ありえない結果だ。
「ファル?」
「あ・・・いや、何でもない。帰ろう。魚も大量に捕れたことだしな」
「うん!」
Aは初めてスキルを使ったことに興奮していた。怖さもあるが、いよいよ異世界転生ものっぽくなってきたじゃないか。
でもやっぱり攻撃スキルじゃないんだよなぁ、とほんの少しだけしょんぼりした。
とにかく、上手く扱えるよう頑張ろう。
あのウサギモンスターとリベンジマッチ→←初めてチートっぽいこと言われたけど属性無いから結局マイナスだよね
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埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» わぁ!ありがとうございます!転生ものにハマってからずっと書きたかったものなのでそんなに褒めてもらえて嬉しい限りです!これからも応援よろしくお願いいたします! (2020年8月2日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわありす(プロフ) - 初めまして。初期の頃から楽しく読ませてもらってます。オリジナル作品でこんなに面白くて設定がしっかりしているなんて、尊敬します…。文章力も羨ましい限り(泣) 応援しております、頑張ってください!!楽しみに待ってますっ (2020年8月2日 21時) (レス) id: 4a3a7aaa8a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます!!サブタイトル忘れてることに気付いて慌ててつけました(笑)まだまだ続きますので、これからも応援よろしくお願いします!コメントありがとうございました (2020年6月28日 7時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - やっぱこの作品好きだなぁ。初期の方から応援させていただいているんですが、サブタイトルだったりお話の展開をものすごく楽しみにしています! (2020年6月28日 7時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2020年4月15日 6時