出発まで意外と時間ないからファルと特訓でもしよう ページ37
皆が驚いて言葉を発せない中、Aだけは何が起きているのか分からなかった。皆には何が見えているのだろう。気になる!
「・・・大胆な賭けに出たね・・・」
エルがファルを見て、声を震わせた。初めて見る、エルの顔から微笑みが消えた余裕のない表情。ファルは勝ち誇ったような顔をうかべた。
「ハッ、俺の勝ちは確定しているがな。だからお前たちに見せたんだ」
またファルは、トントンと首筋を叩いて回していた手を離す。皆が詰まった息を吐き出した。よく分からないが、今見えていたものを見えなくさせたのだろう。
ここにいる討伐メンバーはAの魔力の鱗片を見た。それだけで分かる、エルを超える力。
一番魔力があるとされている王族。その中で最大魔力を持っているとされるエル。それすらも超えるとしたら、それは国を揺るがせる事態だ。
魔力での差別はこの国にはないが、『多い方がいい』という意識は根強い。
つまりエルにこの事を話してもエルは他の民に公表できないし、周りの奴らが言ってしまえば国家権力に消されることになるのだ。
「いいかそこの青二才。Aの事を悪く言ってみろ。Aが動く前に俺がお前のことを消してやる」
ナイフでも飛んできそうな眼光に、ラナストはたじろいた。
クルシュから、グオードを倒したった2人で洞窟の主を殺したと聞いた。ラナストは信じていなかったし、2人を見た時も「こんなひょろひょろした奴らが?」としか思ってなかったが、今殺気を感じてわかる。
これは、何度も戦乱を潜り抜けてきた奴が出せるものだ。上司であるクルシュや、エル王子よりも強く意思を感じる殺気だ。
だがここで、悪かったと素直に謝るのはラナストのプライドがどうしても邪魔をする。なのでラナストはバツが悪そうに目線を逸らした。
「私が代わりに謝ろう。すまない。うちの部下が無礼をした」
クルシュが立ち上がり頭を下げると、別にいい、とファルが返す。
「ねえファル、何をしたの?」
気になってうずうずしたので聞くとファルは目元を優しく下げる。
「Aが強いってことを証明したんだ。そこのアホ雷がAのことをバカにしたからな」
「僕、別に気にしてないよ」
「俺が嫌なんだ」
ファルはAの髪の毛をくるくると弄る。そこでエルはため息を吐いた。
「
1週間後に行くのか。
ファルと特訓でもしよう!
だからあの時、最後の力を振り絞り・・・→←ここで明かして大丈夫?王子いるよ?
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埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» わぁ!ありがとうございます!転生ものにハマってからずっと書きたかったものなのでそんなに褒めてもらえて嬉しい限りです!これからも応援よろしくお願いいたします! (2020年8月2日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわありす(プロフ) - 初めまして。初期の頃から楽しく読ませてもらってます。オリジナル作品でこんなに面白くて設定がしっかりしているなんて、尊敬します…。文章力も羨ましい限り(泣) 応援しております、頑張ってください!!楽しみに待ってますっ (2020年8月2日 21時) (レス) id: 4a3a7aaa8a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます!!サブタイトル忘れてることに気付いて慌ててつけました(笑)まだまだ続きますので、これからも応援よろしくお願いします!コメントありがとうございました (2020年6月28日 7時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - やっぱこの作品好きだなぁ。初期の方から応援させていただいているんですが、サブタイトルだったりお話の展開をものすごく楽しみにしています! (2020年6月28日 7時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2020年4月15日 6時