7話［♪］ ページ14
黒い門を通り玄関へ歩く。横には庭があって四季折々の花が咲いていた。ますますセレブの別荘のようだ。
｢今日親は？｣
｢2人とも単身赴任中でいないです｣
ふーんと琉司は返事を返して高い家を見上げた。見るからに広そうなこの家に、桜は1人でいるのか。それはひどく悲しく思える。
｢どうぞ｣
桜が玄関を開けたので｢っス｣と言って頭を下げた。すぐ右側の扉を開けるとそこは、王室のように広かった。
スクリーンのような巨大テレビ、見るだけで良質な布だろうしフカフカだとわかるソファー、1年分の食料が入るんじゃないかと聞きたくなる冷蔵庫に、むしろここで食事できるのではとツッコミたくなるキッチン。全てが知っているサイズの数倍上だった。
｢すっげー･･･｣
一応お客様だからなのか桜がお茶の用意をしている間、琉司はソファーに座った。ふわわん。まるで綿の集合体に座っているかのような感覚。あ、ダメだこれ人をダメにするタイプのやつだと急いで立ち上がった。
｢部屋は上です。着いてきてください｣
｢おう｣
2階への階段を上がるとベランダの反対側に部屋を見つけた。奥の部屋だと言われたので奥の部屋を開ける。そこはまさしく天国だった。
目の前に現れたのは数々のコスプレ衣装。有名アニメの主人公からマイナーなサブキャラの衣装まで何でもござれだ。その中にはあの時のかぐや様もある。つまりこれは今まで桜が着てきた歴代キャラたちということか。
奥には布地とミシンも置いてあった。まさかこの衣装たちは、
｢自作か？｣
｢はい、そうですけど｣
お茶を机に置いた桜が答える。まさかの自作！？と驚いてから、彼の父の仕事がファッションデザイナーだったと思い出す。服のデザイナーは製作面でも少なからず縁がある。父の仕事を見て、桜も覚えたのだろうか。それにしてもあんな完成度の高いものも自作だったとは。本当にコスプレ界の天才だ。
｢じゃあ着替えてきます｣
｢おう｣
障子が立てられている角に服とウィッグを持った桜が消える。見届けてから立ち上がり、部屋の中を物色することにした。
ダンボールの中には大量の布。近くにはミシン。少し行くとお茶を置いた机とは別の机があって、そこには接着剤やらがある。おそらく小物作り用だ。クローゼットの中にはウィッグ。ズラーッと並べられている。琉司は知っているキャラのウィッグをいくつか見つけてテンションが上がった。
いつか他のキャラも見てみたい。見せてくれるだろうか。
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埋夜冬(プロフ) - 桧さん» 返信遅くなりすみません！続編にいくので、引き続き応援よろしくお願いします！コメントありがとうございました！ (2021年9月7日 18時) (
レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
桧 - めちゃめちゃ面白いです！！更新楽しみに気長に待ってますね！！ (2021年8月6日 0時) (レス) id: f7e0d06981 (このIDを非表示/違反報告)
ひらり(プロフ) - あおん。さん» コメントありがとうございます！ゆっくりとした更新になりますが、これからも応援の程宜しくお願い致します！ (2020年9月28日 13時) (レス) id: 39d75deffc (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - あおん。さん» ありがとうございます！ちまちま更新していきますが、これからも応援よろしくお願いいたします！ (2020年9月28日 8時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
あおん。 - 面白いです！更新楽しみにしてますね！ (2020年9月28日 4時) (レス) id: 71950dc544 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜 冬 | 作者ホームページ：http://uratuku/sounewawawa1
作成日時：2020年3月1日 13時
