72冊目(ピンク注意！) ページ33
湊の誕生日会も終わり、愛川たちが帰っていった。部屋の後片付けとお風呂を終えて、あとはもう寝るだけ。ソファーに座る湊の隣に座ると、トン、と肩に頭が乗る。
「すごく楽しかった。素敵な誕生日会を開いてくれてありがとう」
「どういたしまして」
ふわふわとした空気が二人を包む。湊はAの手を握った。Aもそれを握り返してくすぐったそうに笑う。
「もうすぐ誕生日終わっちゃうし、もっとわがまま言っても良いんだよ？」
「わがまま？ん〜、あ、１つある。言っていい？」
「もちろん」
肩から頭を上げた湊がAを見る。緊張しているようで目を逸らされた。
「キスがしたい。カフェのときにやったみたいなやつ。でも、Aが嫌がるならしたくない」
嘉川にAを取られそうになったとき衝動のままやったディープキス。あれはAの中でトラウマになっているんじゃないかと、湊はずっと心配だった。
「…い、いいですよ」
Aの顔は赤い。だが湊の目をちゃんと見て言った。トラウマではない、嫌ではないとわかって湊は肩の力を抜いた。
第一あのキス、Aは嫌ではなかったのだから。
湊はそっと後頭部を引き寄せキスをする。ゆっくり体重を掛けてソファーに倒す。Aの下唇を淡く食むとおずおずと口が開いた。
あの時みたいに乱暴にするのではなく、労るように優しく上顎や歯列をなぞり、舌を絡める。
「んっ、は、ぅ……ぁ…」
呼吸をする瞬間まで奪いながら、湊はAの服に手を入れた。ビクつき目を開いたAと目が合い微笑む。だがキスはやめない。
くすぐったいような恥ずかしいような。Aはキスの時点でくらくらして何も考えられない。
やっと唇が離れた。Aは肺に酸素を取り込みながら瞳を潤ませる。
「みなと、さん、おれ、こういうの、初めてで……」
「俺もだよ。知識は本業だからあるけどね。でも痛くしないし、絶対に気持ちよくできる自信はある。……やっぱり、怖い？」
ううん、とAは首を振る。それから湊の首に抱きついた。
「俺の全部、湊さんでいっぱいにして。でも経験ないから、その……や、優しくして…ね」
ああ、全く……どこで覚えてくるんだそんな可愛い台詞。
そんなに瞳を潤ませて顔を真っ赤にしていたら優しくできるか心配になってしまう。
「もちろん。優しくとろとろにしてあげる」
耳元で低い声で言う湊は確信犯だ。もうとろとろだと言うのに。
Aを横抱きした湊はそのまま自室のベッドに運ぶ。扉は二人きりの空間を作るためパタンと閉じた。
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埋夜冬(プロフ) - 白澤 晴夜さん» ありがとうございます！返信遅れてごめんなさい！キュンキュン出来ていたなら良かったです(*´ω｀*) (2019年12月14日 13時) (
レス) id: 87a5a46f37 (このIDを非表示/違反報告)
白澤 晴夜(プロフ) - 完結おめでとうございます！！もう最後までキュンキュンしながら読ませて頂きました〜！！この2人には、これからも永遠に幸せでいて欲しいです！！これからも頑張ってください！応援してます！ (2019年12月13日 22時) (レス) id: 5742d2c832 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ゼロさん» 返信遅くなりすみません！ドキドキしていただけたなら作者も満足です！次回作もよろしくお願いします！ (2019年12月7日 10時) (レス) id: b51b60f8c3 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 唳桜さん» 返信遅くなりすみません！可愛く書けていたなら良かったです！次回作も作ったのでぜひ読んでみてくださいね！この作品を読んでいただきありがとうございました！ (2019年12月7日 10時) (レス) id: b51b60f8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - とても面白かったです。僕自身とても好きなジャンルで読んでてとてもドキドキしました！完結おめでとうございます。これからも応援しています。頑張って下さい(^▽^)/ (2019年12月1日 11時) (レス) id: aaae856515 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2019年8月10日 22時
