67冊目 ページ28
名前呼びにも慣れてきた頃、Aは早朝から張り切っていた。
何故なら今日は湊の誕生日だからだ。愛しい人の誕生日。それはもう朝早くに起きて食材の下準備を済ませ、部屋の飾り付けまで湊が起きる前に完璧に終わらせた。
午前中から夕方までは湊の知り合いを呼んで誕生日会、夜は二人きりで過ごす予定だ。知り合いは凛音と愛川、そして湊に会いたいと言っていた嘉川だ。Aも湊も熱々の両想いなのだから、もう心配ないだろうと愛川と話し合った結果だった。
湊が喜んでくれる誕生日会になるか不安なところもあるが、思い出に残る誕生日になればいいと願う。
「おはよう、A。うわぁ、すごいね」
「お、おはよう、湊さん」
Aで呼ぶと話した日、他にもルールを決めた。仕事以外では名前で呼び合うこと、普段は敬語を外して話すこと。どれも慣れるまでは時間が掛かったが、今ではちゃんと出来るようになった。まだ目を合わせたりすることは出来ないが、いい進歩だと思ってほしい。
「朝からこんなに準備したの？ありがとう。でも疲れちゃったてでしょ？」
ポン、とAの髪を撫でるのは最早日課のような状態になっている。触れられる瞬間はドキドキするが全く嫌じゃない。むしろ愛されていると感じられて嬉しい。
「湊さんの誕生日だから、思い出に残るように祝いたいと思って。だって、湊さんと会うために一番大事な日でしょ？だからちゃんとお祝いしたいんだ」
ぱちくりと驚いた湊は頬を緩めながらAを引き寄せ抱き締めた。わっ！？とAが驚くのも気にせず、腕に力を込める。
「本当にもう……何でそんなに可愛いこと言うの？」
「か、可愛い……？」
「うん、とっても」
少し離れた湊は愛しくて堪らないと顔に表してAを見る。
「俺さ、今すごく幸せだから、毎日が思い出に残ってるよ。ありがとうA」
朝から寝起きのはずなのに、どうしてこの人はこんなにかっこいいんだろう。蕩ける甘い笑顔を見ながらAは顔を染める。
「俺もだよ。毎日幸せで溶けちゃいそう」
毎日こんなにドキドキして、甘くて、幸せで。きっとそのうち当たり前になるだろうけれど、こういう日がずっと続くのならば、それは紛れもなく幸せのかたちだ。
「湊さん、誕生日おめでとう。それから、生まれて来てくれてありがとう」
Aは少し背伸びをして、驚いて固まっている湊の口にキスをした。
湊は泣きそうなくらい瞳を潤ませて頷いた。
「こちらこそ、俺の恋人になってくれてありがとう」
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埋夜冬(プロフ) - 白澤 晴夜さん» ありがとうございます！返信遅れてごめんなさい！キュンキュン出来ていたなら良かったです(*´ω｀*) (2019年12月14日 13時) (
レス) id: 87a5a46f37 (このIDを非表示/違反報告)
白澤 晴夜(プロフ) - 完結おめでとうございます！！もう最後までキュンキュンしながら読ませて頂きました〜！！この2人には、これからも永遠に幸せでいて欲しいです！！これからも頑張ってください！応援してます！ (2019年12月13日 22時) (レス) id: 5742d2c832 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ゼロさん» 返信遅くなりすみません！ドキドキしていただけたなら作者も満足です！次回作もよろしくお願いします！ (2019年12月7日 10時) (レス) id: b51b60f8c3 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 唳桜さん» 返信遅くなりすみません！可愛く書けていたなら良かったです！次回作も作ったのでぜひ読んでみてくださいね！この作品を読んでいただきありがとうございました！ (2019年12月7日 10時) (レス) id: b51b60f8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - とても面白かったです。僕自身とても好きなジャンルで読んでてとてもドキドキしました！完結おめでとうございます。これからも応援しています。頑張って下さい(^▽^)/ (2019年12月1日 11時) (レス) id: aaae856515 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2019年8月10日 22時
