8冊目 ページ10
さてと。自分の休憩も兼ねて湊を見に行こう。Aがチラリと湊を見に行くと、湊はとても真剣な顔をして悩んでいた。
愛川からはプロット作成含め執筆活動はネタか降ってこない限り進まない、と聞いていたがどうやらネタが降ってきたらしい。
Aはキッチンに戻りブラックコーヒーを淹れた。キッチンの棚に入っていた砂糖とミルクを１つずつ添え、湊のいる部屋まで持っていく。
なるべく音を立てないよう湊の前に置くと、湊はコーヒーを見て驚いたように顔をあげた。
「何で知ってるの、コーヒーのこと」
それはまだ湊がAに言っていない、癖だった。
「リラックスしているときや、普段飲み物を出すときにはロイヤルミルクティー、考え事や作品を描いているときにはブラックコーヒー。でも砂糖とミルクは絶対付けておくこと。ですよね？」
一昨日愛川に教えてもらったことだった。これも湊の編集者になるうえで重要だと。
「そんなことまで覚えたの」
「重要ですよ！今後より近くにいることになるんですから、相手の好物を知っておくのはいいことですよ」
Aがにっこり笑って言うと、湊は「そう」とだけ言ってコーヒーを飲んだ。
愛川の送ってきた新人編集者は、湊のなかで受けの性格そのまんまだった。基本的に湊の書くBLの受けは家庭的な人だ。Aと同じように。自分の家事をしてもらうのと受けの像をもっと明確にするため、湊はAを採用した。
「さて、俺はもう少し掃除してきます。プロット作成お願いしますね」
あと今日使うのは風呂場と洗濯だ。そこが終わったら一先ず終了としよう。
というか、洗濯せずに今までどうやって服着てたんだあの人。とAは思う。そして多分、このことは聞いたら引いてしまうだろうから聞かないことにしよう。
「あ、九条先生。夕飯何か食べたいものありますか？」
しばらく考えた湊はぽつりと呟いた。
「唐揚げが好き」
ならば今日の夕飯は唐揚げにしよう。味噌汁も付けて定食風にするのもいい。
だが先程見た冷蔵庫にはそんなもの入っていなかった。買い出しに行こう。
お風呂掃除を終え洗濯を回し、必要な物を買ったAは唐揚げ作りを始めた。
Aのおかげで、湊の創作意欲がどんどん湧いている。プロット作成はすぐに終わったのだった。
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通りすがりの葉っぱ(プロフ) - 有難うございます！ (2019年8月17日 12時) (
レス) id: a112452463 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 通りすがりの葉っぱさん» ない……ですね。設定してませんでした。私は妄想するとき夢主くんを「涼(りょう)」と呼んでます！自由に付けてくださって大丈夫ですよ！！ (2019年8月17日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの葉っぱ(プロフ) - 主人公の名前って設定無しだと何になりますかね？ (2019年8月16日 14時) (レス) id: a112452463 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - アリアさん» そ、そんな……！(照)ありがとうございます！ライバルというか引っ掻き回すというかーって感じなんですけど、その分キュンキュン度をあげていきたいと思います！お楽しみに！！☆ (2019年8月10日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - えちょっと続編すっごい面白そう...いや、この作者を疑うのは止めよう。絶対面白いよ!凜音の小説も待ってます☆ (2019年8月9日 18時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2019年4月23日 23時
