1冊目 ページ3
小野寺出版では、編集長と話し合いどこの担当になるかが決まる。Aはドキドキしながら小野寺出版に出勤した。
Aとしては本に携われるならどこの担当でもいいが、強いて言うならファンタジーか恋愛がいい。昔から、そういったジャンルが大好きなのだ。
編集長の待っている会議室に入る。二人きりの空間はピリピリしている気がして心が落ち着かない。
「時ヶ瀬Aくんだね。編集長の愛川トシオだ。よろしく」
「よろしくお願いいたします」
編集長の愛川は見るからにダンディーなオーラを感じる。インターンのときから噂をたくさん耳にしているが、この人は人望も厚く、社長にも信頼されている人だ。現に担当決めを担っている。
「確か、ファンタジーか恋愛ものを担当したいんだったね？」
「はい！昔から大好きなジャンルなんです！家、とても田舎にあるので本屋がなくて。漫画家志望の従兄弟がよく漫画を貸してくれたんですけど、中でもファンタジーものと恋愛ものは引き込まれる作品が多かったんです。あんなふうに引き込まれる作品を作るお手伝いをしたいと思いました！」
ついつい熱が入り語るAを見た愛川は、ふむ、と何か悩んでいるようだった。
いけない。客観的視野を持つよう、大学でも口を酸っぱくして言われていたのに。今の自分の言動はマイナスポイントだろうか、とAは不安になる。
しかし愛川が考えているのはそこではない。
「では、挨拶に行ってきてもらいたい人がいる」
「挨拶、ですか……？」
愛川は思った。自分は“彼”の作品を一番見続けてきた人間だ。あの天才作家が求めている編集者は、きっとAだ。
「うちの恋愛ものの大人気作家にね」
大人気作家！？とAは目を輝かせた。それも自分の大好きな恋愛ものの作家だなんて、Aの心が踊らないわけがない。
愛川編集長は用事があるようで、Aはタクシーを使い１人で大人気作家のところへ行くことになった。
一体どんな人だろうか。賞をとったあの作家かもしれない。楽しみだ。
着いたのは大きくて白い家の前。黒い門の横にある表札には『kujou』と筆記体で書いてあった。「九条」。綺麗な響きだ。
ドキドキと主張の激しい心臓を、何度も深呼吸することで少し抑えて、Aはインターフォンに手を伸ばした。
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通りすがりの葉っぱ(プロフ) - 有難うございます！ (2019年8月17日 12時) (
レス) id: a112452463 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 通りすがりの葉っぱさん» ない……ですね。設定してませんでした。私は妄想するとき夢主くんを「涼(りょう)」と呼んでます！自由に付けてくださって大丈夫ですよ！！ (2019年8月17日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの葉っぱ(プロフ) - 主人公の名前って設定無しだと何になりますかね？ (2019年8月16日 14時) (レス) id: a112452463 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - アリアさん» そ、そんな……！(照)ありがとうございます！ライバルというか引っ掻き回すというかーって感じなんですけど、その分キュンキュン度をあげていきたいと思います！お楽しみに！！☆ (2019年8月10日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - えちょっと続編すっごい面白そう...いや、この作者を疑うのは止めよう。絶対面白いよ!凜音の小説も待ってます☆ (2019年8月9日 18時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2019年4月23日 23時
