検索窓
今日:8 hit、昨日:61 hit、合計:424,638 hit

名雪様リク 浮気? ページ44

最近、Aがソワソワしている。
いつも途中から一緒に帰っていると言うのに、ここ1週間はAに断られて帰ってない。
しかも帰りが遅いときた。何をしているのか聞いてもはぐらかされてしまう。

だから蒼は思ったのだ。これが世にいう、浮気なのでは、と。
いやまさかあのAが、そんなことするわけない!とは思っているものの、気になるものは気になるし、不安にだってなる。それほど好きで、本気だから。

そして、今日。学校も休みの日曜日。蒼は決定的な現場を見てしまった。
それは今度学校で使うものを買った帰りであった。Aは朝から出ていて家にいなかった。外へ行く理由はもちろん教えてもらえず、蒼は少し怒りを感じていた。

人の通りが多い時間。紛れて見えたのは前髪はピンで留めているがメガネをしたままのA。そしてその隣には―――――――知らない男。

友達かな?なんて思っていたがその考えははっきりと消え去った。
いきなり慌てつつ顔を赤らめたA。Aの肩を抱いて町中に消えていった知らない男も笑っていた。

あんな顔、俺の前でも滅多にしないのに。
照れ笑いとは少し違う、自慢とか満足と言ったような顔。

誰だよアイツ。何で俺に秘密にしてるの?言えないことなの?
気持ちがモヤモヤしてぐちゃぐちゃして、泣きたい気持ちになった。同時に、黒い思いも広がった。好きだからこそ感じる、不満。求めすぎると離れていってしまうことだって、分かっているのに。

だから今日、帰ってきたAに冷たい態度を取ってしまったのは仕方ないことだ。

「ただいま。蒼、父さんが今日は早く帰ってくるって」

「そう」

今こんな気持ちで目を合わせられない。きっと酷い顔をしているから。

「……あの、蒼……?怒ってる…?」

「別に」

どうして人間は、怒ってる?と聞かれると「別に」と答えたくなってしまうのか。
普段はどうかしたの?と聞いてくるAは何も聞いてこなかった。つまり、自覚があるということでいいのだろうか。
……やめよう。考えると余計傷つく。

「俺もうご飯食べたから要らない」

こういう時は自室に籠っておいた方がいい。これ以上冷たくしたら本当に戻れない溝ができてしまいそうだ。

バタンと閉じられた扉の音が虚しく響いた。

「どうしよう……バレちゃったかな……」

名雪様リク 浮気?→←螢光ペン様リク 嬉しいけど



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (559 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1324人がお気に入り
設定タグ:イケメン , BL , 王子様 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

埋夜冬(プロフ) - ウェーイさん» 喜んでいただけているご様子ですね!嬉しいです! (2021年7月10日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ウェーイ - (*^▽^*) (2021年7月10日 22時) (レス) id: 600bb56534 (このIDを非表示/違反報告)
トマトジュース - アギャァァァァァァ!!無理尊い、辛い、泣けるンゴ、吐血するンゴ、つかしたんご (2019年9月19日 22時) (レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
カナ - (^∇^) (2019年7月13日 14時) (レス) id: 99b9fc8fa9 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - カナさん» ありがとうございます!もうすぐ終わりますのでお楽しみに☆ (2019年7月12日 7時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:埋夜冬 | 作者ホームページ:http://uratuku/sounewawawa1  
作成日時:2019年3月5日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。