螢光ペン様リク 嬉しいけど ページ42
今Aはものすごく教室に入りたくなかった。理由はただ1つ。
伊達メガネが昨夜壊れてしまったからだ。つまりAのアイデンティティーの1つが無くなった。困ったぞ。昨日の予定では、最近長くなった前髪をずらすつもりだった。メガネがあれば少しずらしたところで変わらないはずだったのに。
目立ちたくないけど、前髪も邪魔。朝からため息しか吐いてない。やはり昨日、自分で前髪を切っておくべきだった。
「おはよ〜…」
「おっはよーA!元気!?あれ?何かいつもと違う?あっ、メガネない!!うっそー!どうしたの!?え、何で!?アイデンティティーなのに!」
入った瞬間、扉の近くにいたらしいモモがマシンガントークを始めた。うるさい。そして目立ってる。
「モモ、しーっ!」
モモは油断出来ない。一先ず黙らせてから席に着いた。そういえば今日は小テストがあったはずだ。前髪、邪魔になりそうだな。はぁ……。
最優先はメガネがないことを周りに見せないことだ。モモのせいで何人かは知ってしまったがまだ大丈夫。
本を読んだり寝ていたりして下を向いていため、午前中のテストまでは大丈夫だった。
やってしまったのは、4限のテストのとき。
テストのときはやはり邪魔でイライラし始めていた。Aは無意識に、ヘアピンを探してポケットを漁った。
……あ、ヘアピンあった。もう本当に前髪邪魔。やっぱり切れば良かった。蒼は髪を切るのも上手そうだな。家帰ったら聞いてみよう、ふふっ。
そこでチャイムがなった。テストも終わり昼食だ。よし、お昼ご飯。
「わ!た、高城くん……?」
へ?………あっ!!
「うおっ!マジで高城なの?」
気付いたときにはもう遅く、昼食時になったせいでよりクラスメイトが集まる。
やばいやばいッ!!完全に気を抜いてた!家にいるときと同じ行動しちゃった!やばいどうしよう!
目立っている。隠してきた金の瞳が晒され、蒼だけの特権であった顔立ちがクラスメイトに見られた。
「あれー?この顔、どっかで見たことない?」
ギクッ!Aの頬に冷や汗が伝った。
「あー確かに!どこだっけ〜」
「あれだ!文化祭の、東雲くんの彼女にそっくり!!」
うわぁぁぁぁ!!!バレた!?ついにバレたぁ!?とAは大慌てだ。どうしよう何て言い訳したらいい!?
「もしかして……蒼くんの彼女ってAくんの親戚!?」
そっちぃ!?
「あーなら仲良かったのも納得だよな」
「未来の義弟になりそうなほどラブラブだっだしね」
合ってるけど違ぁぁぁう!!!
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埋夜冬(プロフ) - ウェーイさん» 喜んでいただけているご様子ですね!嬉しいです! (2021年7月10日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ウェーイ - (*^▽^*) (2021年7月10日 22時) (レス) id: 600bb56534 (このIDを非表示/違反報告)
トマトジュース - アギャァァァァァァ!!無理尊い、辛い、泣けるンゴ、吐血するンゴ、つかしたんご (2019年9月19日 22時) (レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
カナ - (^∇^) (2019年7月13日 14時) (レス) id: 99b9fc8fa9 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - カナさん» ありがとうございます!もうすぐ終わりますのでお楽しみに☆ (2019年7月12日 7時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作者ホームページ:http://uratuku/sounewawawa1
作成日時:2019年3月5日 23時