神様はショタがいい ページ23
OLとしてやるべきことを終えた彼女は伸びをした。早く帰ろう今すぐ帰ろうとっとと帰ろう、と彼女の心はそればかりだ。
何故なら今日は、攻めキャラの誕生日だからだ。
家までの人気の少ない通りで彼女はアプリを起動する。タイトルは『瞳の奥を覗かせて』。大人気で書籍化までされているBLゲームだ。今日はその、東雲蒼という攻めキャラの誕生祭。棚にキャラを乗せ拝める予定だった。
だった、というはのは祝えなかったからだ。
それは会社からの帰り道に起きた事件だ。彼女の目の前に表れた白い仔猫はすぐさま道路を飛びだした。そこに来る車。彼女は反射的に飛び出し、仔猫の代わりに轢かれた。
意識が途切れる最期に思ったことは。
『嗚呼…攻め様の生誕祭、祝えなかったな』である。
「おーい、生きてる?いや死んでるんだけどさ」
次に目を覚ましたのは、真っ白な空間だった。
ここはどこだろう。死後の世界かな?
「合ってるけど合ってないかな」
声の主はまだ小さい。白いローブに白銀の髪。赤と金のオッドアイ。小さいくせにかっこいい顔立ちをしている。
その姿は、彼女が妄想している神様の姿だった。
「やぁこんにちは!ボクは神様です!」
あ、本物だった。
いや違うか。死んだ後にも夢ってみるもんなのか…と彼女はしみじみ考える。
「夢じゃないよ。君は死んだからね。ここは君が死んだら行くと思っているとこ。今のとこ、全部君が妄想した死後だろ?」
たしかにその通りだ。転生もののネタを妄想しているときと同じ。
「普通神様って言ったらおじいちゃんじゃない?何で君はこんな小さい子どもなの?」
個人的に若い方が好きなのと、高校生ぐらいにするとイケメンすぎて転生したくなくなるかもだからだ。神様は転生先でもアドバイスしてくれるから子どもの姿の方が妄想で出しやすい。
妄想が都合よい展開になるためのショタだ。
「まあいいや。君さぁ、本当はまだ生きてるはずなんだけどね。ごめんね、ボクのペットが人間界に間違って行っちゃったみたいで……」
はぁ、と彼女は曖昧な返事をする。イマイチ頭の整理が追い付いていない。
神様によると、あの白い仔猫は神様のペットらしい。間違って人間界に行っちゃって、轢かれそうになったところを私が助けて代わりに死んだ、ということだ。ペットが人間界に行くのが世界のイレギュラーなので私が死んだのもイレギュラー……。
「こっちが悪いからね。だから、君の願いを1つ叶えてあげる!」
……一体どこのアラ〇ンですか?
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埋夜冬(プロフ) - ウェーイさん» 喜んでいただけているご様子ですね!嬉しいです! (2021年7月10日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
ウェーイ - (*^▽^*) (2021年7月10日 22時) (レス) id: 600bb56534 (このIDを非表示/違反報告)
トマトジュース - アギャァァァァァァ!!無理尊い、辛い、泣けるンゴ、吐血するンゴ、つかしたんご (2019年9月19日 22時) (レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
カナ - (^∇^) (2019年7月13日 14時) (レス) id: 99b9fc8fa9 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - カナさん» ありがとうございます!もうすぐ終わりますのでお楽しみに☆ (2019年7月12日 7時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作者ホームページ:http://uratuku/sounewawawa1
作成日時:2019年3月5日 23時