占いツクール
検索窓
今日:8 hit、昨日:61 hit、合計:16,632 hit

願い 20 ページ21

「いつまでそんな顔してるの」

坂本たちがいなくなったのを確認してからAはオルバに問いかける。
何でこいつが。そんな悪い状態だなんて。ああ、無理に俺のテンションに付き合ってくれていたのか。
オルバは悪魔としての自分に誇りを持っている。だから態度がでかいし、文字通りたくさんの人間を唆してきた。願いがない、というAのことを知るために色んなところに連れていきたくて、名前を付けてもらいAの元へ帰れるようになったオルバは文明が進んだこの世界を勉強した。映画とカラオケに行ったら今度は旅行をしたかった。この街の好きな場所を見つけてAを連れていき、Aの特別な場所も教えてもらって――――。そうこっそり計画を立てていた。

でもAの体は、そんな余裕なんてない。いつ死んでしまうか分からない。そんなのあんまりだ。コイツが何したって言うんだ!

「なぁ、何で願わないんだよ!病気を治してくれって!何で受け入れるんだよ!お前は悪くないだろ!病気と戦ってきただけだ!受け入れる理由は両親の死だろ!?どうして生きようとしないんだ?両親の分まで生きようって、抗おうって思わないのか!?」

昔病気を治してくれと願った人間はそういう奴だった。その人間は両親の分まで生きると言っていた。死んであちらの世界に行った時、自分が立派になった姿を見せるのだと。
でもAは違うのだ。

「それはお前の考え方でしょ。僕は違う。父さんと母さんには辛い思いばかりさせてきた。だから……僕は幸せになっちゃいけないんだ」

両親の分まで生きる?立派になった姿を見せる?
こんな生活ずっと続けてきたやつに出来るわけないだろ。特に現代なんて学力と積極性重視の会社が多い。この歳までの経歴が空欄。資格も無くて要領が悪い。オマケに非力ときた。どこの会社がほしがる?

だから早く眠りにつくように死にたいんだ。僕は悪い子だから病気になる。病気は治さない。死の覚悟はずっと前から出来ている。あの悪魔にこんなことは願わないけれど。

「俺にはお前が分からない」

「奇遇だね。僕もお前が何を伝えたいのか分からないよ」

悪魔は下を向き拳を握った。願いを叶える悪魔がいるのだから願えばいいのに。そしたら両親が死んだ記憶だって、元気な体だって、給料の良い会社に入ることだってできるのに。
お前じゃ僕の願いを叶えられないと言われているようで、自分の無力さが悔しくて仕方なかった。

願い 21→←願い 19



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (60 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
63人がお気に入り
設定キーワード:悪魔 , 病弱 , BL , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

埋夜冬(プロフ) - 希羽(  ̄▽ ̄)さん» うわぁぁぁありがとうございます!!嬉しいです!お読み下さりありがとうございました! (4月1日 14時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
希羽(  ̄▽ ̄) - めっちゃ良かったです…! (4月1日 14時) (レス) id: a63dca5f86 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - こばねさん» ありがとうございます!予想しながら読んでいただけましたか!そして予想外でした!?計画通りです!最後までお読み下さりありがとうございました! (3月25日 9時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
こばね - めちゃくちゃに感動しました… 予想しながら読んだら全部ハズレ、まぁ予想外の展開がとても面白い作品なのですが(笑) (3月25日 5時) (レス) id: a8fdbc597a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - あいかさん» ありがとうございます!このお話は泣かせたかったので、泣いてくださったなら計画通りです!お読み下さりありがとうございました! (3月22日 1時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:埋夜冬 | 作成日時:2019年12月7日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。