妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～part５ (ページ5)

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第５.４話　四神・西に位置するものページ5

島に降りて、箱の中を見てみたら、
不思議な事に三つの玉の光は消えて、『金』の玉だけが光っていた。

「『金』の玉の光は、この森に向かって伸びているみたい」

森は玉の光で、明るく照らしだされている。
しんとしたその森の中、落ちた木の枝を踏みしめる音だけが響く。

その内、規則正しく歩いていたAの足音が、ぴたりと止んだ。

「ここ……何かあるみたい。玉が……」

私の手のひらで、玉が光をまき散らしながら、くるくる回りだした。

スネリも何かの匂いを感じているようで、
無言の内に前足で地面を掘り始めた。

掘り進める内に、土の中に白いものが見えてきた。

「それは石板じゃないか?」

もっけが地面近くで羽を羽ばたかせると、かぶさっていた
土が吹き飛んで、そこには白く光る正方形の石板があった。

「何か書いてある」

中央には丸くくぼみがあり、それを囲むように、
三重の同心円が描かれ、左右にも小さな丸がある。

こまごまと刻まれた文字は、消えかかっていた。

「難しい漢字ばかり……でもこれは北斗七星の並び。
それからこれは……日輪と月輪……」

「中央にあるのが北極星。周りにあるのは、
二十八宿と呼ばれている正座のうちの七つの星座よ」

「じゃぁこの石板に書いてある七つの星座は、
『すばるぼし』『あめふりぼし』とかの星座で……」

「よく知ってるな」

それらの星は西に位置している。
自分は夜の星を見るのが好きだったので、こういうのは良く知っていた。

「真中に描かれた絵が何か分かるか?」

それだったら、というようにもっけが聞いてきた。

「……西に関係する何かだよね。東西南北と言えば、四神の話を
姉さんから聞いたことがある。この絵は四本足の獣だし、白虎かな……」

「へぇ……Aの姉さんが」

「姉さんはこういう実際には存在しない、
空想上の何かには興味を持っていたから」