第5.15話 激闘。右腕上腕部に負った傷 ページ16
カザンは歯をむき出しにして、上体を低く落とした。
戦闘態勢に入ったのだ。
「A、気をつけろ」
もっけがそう言い終わらないうちに、
カザンは弾丸のような速さで突進してきた。
うず目によって全ての動きがスローモーションに見る私は、
すばやく上空へジャンプした。
だが、間髪入れずに地上へ戻った。
それは、私がジャンプしても尚、
カザンが方向を変える兆しがなかったからだった。
目的は私ではなく、スネリともっけだった。
私はすぐに二人を抱きかかえ、高い木の上に飛び乗った。
次には、二人が見えない霧の姿と光る影の姿になる。
カザンの動きは一瞬止まる。
そこで私がほっとしたのも束の間。
カザンの耳は後ろに逸れ、ぴくりと動くと、
前足を蹴り上げ、大きくジャンプした。
光る影となったもっけ目がけて、大きく口を開けている。
するどく尖った歯が光り、もっけの光に向かって飛びこもうとした時。
ガシッ!
私が割り込んで、もっけを抱きかかえた。
グルルルッ──
カザンの口からよだれが一筋、糸を引いて垂れ落ちた。
それは、夜目にも赤い色に染まっているのが見て取れる。
私は右腕を押さえて、蹲った。
「A!」
もっけはふくろうの姿に戻ると叫んだ。
カザンは、私の右腕上腕部をかじり取った。
骨まで見えそうな深い傷。
出血は止まらず、たらたらと血が流れている。
私は心臓の音と共に、ずきずきと脳の中心まで
響いてくる痛みに、呪文を唱えて耐えていた。
「A、おいらのせいで……」
もっけはそう言うと、もう一度光る影になって
矢のようにカザンに向かって行った。
しかしカザンは待ちかまえていたように、光る影に覆いかぶさった。
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作者名:フェイル | 作成日時:2010年12月8日 21時