【drrr!!】この街は、田舎出身の私に優しくない。

#2 ナニモノ ページ3

「…………え、えと…」

「はじめまして、俺は折原臨也。」

目の前の男の人は、薄く笑いを浮かべている。

「……お、オリハラさん。」

「そうそう。臨也さんでもいいよ。」

「あっ、はい。」

「で、その制服はどこの学校？」

「えっ」

「この辺には、セーラー服の高校はないんだ。

あるのはあるけど、数えるほどしかない。


君は、何者だい？」


「な、何者……ですか。

ええと……木谷、Aです」

「………」

「えっ」

いきなり黙り込んだ。よく見ると下を向いて震えている。

「え、あ、あの」


「あっははははは!!!

これだから、人間は面白い!!!」


「えっ、えっ」

この人、絶対怖い人じゃないか!!!?

………よし、逃げよう

カバンを背負い直し、一目散に路地裏を駆け抜ける。

「おっと」

ひらりと目の前に降りてくるオリハラさん。

「なっ、えっ、えっ!!!?」

「いいリアクションするねぇ、気に入ったなぁ」

「………!!!!!?」

「にしても、俺の事知らないんなら、この辺の【喧嘩人形】も知らないんでしょ？」

「……喧嘩………人形……?」

「そう。

バーテン服を着た、大柄の男。」

「………は、はぁ。」

「そいつには、気をつけなよ。」

「………気を、つけるんですか…?」

「そう。このあたりは、あまり歩かない方がいいよ。」

「は、はぁ」



「それじゃあ、またね。Aちゃん」



肩を叩かれて、慌てて振り返ると、遠くなるオリハラさんの背中が見えた。


なんて不思議な人なんだろうか。

#3 キョウフ→←#1 ハジマリ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す