後輩の宇髄くんが生意気すぎる件について。

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『じゃ、私はこれで。』


いつのまに身支度を整えたのか、
当たり前のように去ろうとする。

思わず

｢一緒に出ねーの？｣

なんて聞いてしまった。




すると彼女は何言ってんのこいつ。
みたいな顔をして自分は学生だから、と言って
俺の返事も聞かないまま部屋を出ていってしまった。





…もしかして俺の事、知らない感じ？
あなたと同じで
俺も派手に有名人なんだけどね？

なんだ、てっきり知ってるのかと思って
わざわざ名乗らなかったし
あえてそっちの名前も聞かなかったわ。




｢ん〜どうすっかな〜｣

なんてふと、テーブルを見やると
そこには自分のではないスマホが。



もしかして、
結構抜けてるところあったりする？






｢…派手にいい事思いついちった♪｣






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｢忘れ物っすよ？先輩。｣


あえて“先輩”とつけて
自分が後輩だということをわからせた。


案の定、
昨日はあんなにポーカーフェイスだった先輩は
見事、頭が真っ白になったような顔。




余裕そうで
何を考えているのか分からないこの人を
“自分のせい”で調子を狂わせてやりたい。

俺に加虐心が芽生えた瞬間だった。






ほら、逃げられると追いたくなるって言うじゃん？


あー。すげえハマっちまいそうな気がする。




覚悟してな、A先輩？






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