佰漆 ページ15
__A
誰だっけ、この声
誰だったっけ
誰でもいい、誰でもいいから助けて
必死に手を伸ばすと私の身体が香に包まれた
ーー
目を開けると、愈史郎が私の事を抱いていた
｢…………凄い魘されてたから心配したぞ…！｣
『……………………ん、大丈夫……
怖い夢を見ただけ』
助けられなかった命は沢山あるし
一つ一つ大切だったことも
忘れちゃいけないことも知ってる
どう頑張っても、全員助けると意気込んでも私の力不足で犠牲もでる
尊い命が私の力不足で守れないことも
忘れたくなくても忘れてしまうことも全部私が弱いから、
そんなのわかってる
日記とは別に犠牲者名簿は作ってある
それでも、記憶は消えてしまうから
その時の状況や容姿の把握もできないんだ
私のせい、少し語弊があるけど、間違ってはない
｢大丈夫か？｣
『…うん、平気。
少しだけ一緒に居て』
｢………………昼飯も作り終わったしな。｣
愈史郎が静かに私の頭を撫でる
｢……………夜には村に戻れそうか？｣
俯きながら首を横に振る
私が守れなかったあの村に、私は必要無いかもしれない……
もしまた私のせいだと言われたら立ち直れない気がする
怖い…………
逃げるなんて、目を背けるなんて………情けない……
｢……お前は逃げてなんかない、今まで一生懸命だった分の休息だ
ゆっくり休め。…………気負う事はないからな｣
『どうして……どうして、？
愈史郎は私のこと何でもわかるの…………？』
｢…………………ずっと一緒に居たからな
(お前を好いているからと言えば"冗談でしょ"なんて笑ってくれるか？)｣
私は冗談を含めて声を出した
『愈史郎が、私と一生一緒に居てくれたらいいのに』
｢……………………冗談言うな
(お前は俺を置いていくだろう…)｣
悲しそうに私を見つめて苦笑いする愈史郎
『…………………、一生一緒は無理でも
この7日は一緒に居よう、？』
｢そんな7日間も良いな、毎日お前に飯を作るのは面倒だけどな｣
『ねぇ愈史郎………………愈史郎も血は飲むんだよね』
｢………………まぁ、鬼だからな｣
『私の血も飲めるの？』
｢飲めるといえば飲めるけど、俺は直接は飲まないぞ
少量で足りる｣
どんな顔で血を飲むのかな
興味が湧いてきた
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霞(プロフ) - 感動しました…！ちょっと、泣いちゃいました笑 (8月13日 23時) (
レス) id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
karion(プロフ) - 自分は飽き性なので最後まで読む事は滅多に無いのですが、久しぶりに最後まで飽きずに読めました！とても面白くそしてとても感動しました..めちゃくちゃ泣きました‼︎素敵な作品をありがとうございます‼︎‼︎ (5月16日 22時) (レス) @page50 id: d59aca9a13 (このIDを非表示/違反報告)
りおん(プロフ) - 本当にずっと涙が止まりません…何回でも何百回でもこの作品をこの1人の少女の人生を必ずみにきますね！！！この作品を作ってくれてありがとうございました！！！ (2022年8月12日 6時) (レス) id: db88a71968 (このIDを非表示/違反報告)
アマリス(プロフ) - しのぶさん、本当最低だな。無一郎の奴も、主人公と和解すんな！！お前らにはその権利はねぇんだよ💢と思います。夢主さんは、すぐに記憶無くなったらすぐに鬼殺隊辞めるべきだったんですよ！！私は和解ENDなんて認めません！！ (2022年5月23日 21時) (レス) @page46 id: 7d0074fb6d (このIDを非表示/違反報告)
ぷりんちゃん - 素晴らしい作品に出会いました、この世にこの作品を生み出してくれて本当にありがとうございます。記憶がなくなる感情とか辛さとか引き込まれる文章ばかりで涙が止まりません。今から読み返します。 (2021年5月7日 1時) (レス) id: a2bdeb07de (このIDを非表示/違反報告)
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