世界一綺麗な音【宇髄天元】

34音目 ページ38

『もう行くの……？？』


「あぁ！明日の朝までに移動しないといけないんだ」


「行きたくないよおおおっ……！！」


「うー！！！」


「派手に暴れてすぐまた来るからなっ！！！」




伊之助は私の手にピカピカのドングリを乗せて指切りをした



『待ってるね』



「おう！約束だ！！！！」



伊之助の表情はわからなかったけど




とても綺麗な音が鳴った



指先から伝わる優しい体温









『……行っちゃった』



「寂しいのか？」



『うん…………少しね』



「約束したんだからすぐ戻ってくるっての……


うっし、風呂入るか！！！！」



『うわっ……！！！！』



いきなり体が宙に浮いたと思えば担がれた






『私1人で入れるよ……！！！』


「んなの派手に却下だ！！」




慣れた手つきで服を脱がせて手拭いと一緒に風呂に放り投げる




手拭いで隠れていたものの、尻もちを思い切りついてしまう









「…………派手な格好してんな、襲うぞ」




『宇髄さんがっ……！！


助け「お前口塞ぐぞこら」もうふはられてふ』





口を大きな手で抑えられてムカついたんで口を開けて噛む




ニタァっと笑った後に




ざまぁみろって笑ってみせる








「……………………っ！！んの野郎っ……！！！」




『ぎゃぁぁぁっ……！！！』



一通り叫んで暴れて石鹸投げたりした後、体を洗ったり髪を洗いっこしたりして

ゆっくりお風呂に浸かる


宇髄さんの向かいに座って温まる





「……体つき良くなったんじゃねぇか？」



ふぅ、と一息付き目を細めた一瞬で


宇髄さんは私の隣に移動していた




『どっ…………どこ触ってんの！？！？


ねぇ……っ、宇髄っさ、






……………………泣くよ！？！？！？』




イタズラをしていた手はピタッと止まり、ゆっくりと私の体から離れていく




「それはズルい」


『知らなーい……』


顎付近まで湯に浸かって宇髄さんをじっと眺める



ぼーっと右側を眺めている宇髄さん



横顔も綺麗だよなぁ……




顔が良いのムカつくよね……




イタズラしちゃえ





バシャッ



宇髄さんの顔面にお湯がかかる



上げていた髪が水と一緒に降りてきて


額にピクピクと血管を浮かばせている






『あはwwwwww海藻みたいwwwwwwwww』



「……覚悟は出来てんだろうなぁ……？？？」



髪をかきあげて睨む宇髄さん

怖い



『……こっこっち来ないで……っ


…………っぎゃぁぁぁっぁああっ』

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