友人以上恋人未満。 ページ11
「エンマさん、夕食…大丈夫ですか？」
「ん？あぁ。夕食よりもAと話せる方がいい。だから気にすんな」
また嬉しそうに目を細めて笑うものだから、勘違いしてしまいそうになる。
エンマさんにとって私は親しい友人の一人。
ただそれだけである。
それ以上でもそれ以下でもないのだ。
そう。
エンマさんにとって私はただの友人なのだ。
胸にそう改めて刻んでおかなければ、すぐに勘違いしてしまって、取り返しのつかないことになるから。
「A、段差がある…危ねぇぞ」
耳元で低い声が響いた。
「ぇ！？」
驚いて体勢を崩す私の腰を引き寄せ、自然とエンマさんと密着した。
視界いっぱいにエンマさんが映る。
「っ……すみません…！」
急いで離れて、口から飛び出しそうなほど跳ねる心臓を押さえた。
あんな顔が近付くなんて、今日はとんでもない日である。私の寿命を一体何日…いや何年縮めたことだろう。
「A」
彼の声や指が近付くことに気づかないぐらい、私は恥ずかしくて、顔が熱くて、周りが見えていなかった。
何かが私の耳に触れた。
ヒュッという声にならない音が漏れた。
「耳も顔も真っ赤、だな」
彼の指先が耳に触れ、そして優しく頬に触れた。
エンマさんはずるい。
私をどんどん勘違いさせる。
そんな眩しい笑顔を向けられたら誰だって勘違いしてしまう。
『友人』と言われ切なさでチリチリと痛んだ胸も、今は甘い熱に変わって、ただただ胸が高鳴っていく。
「…妖怪達が集まりだしちまったな…」
エンマさんは周りを見渡すと眉を下げた。
確かに周りを見ると、妖怪達がチラホラと集まりだしていた。
なぜ、だなんて明白だ。エンマさんが有名だから。
「よし、飛ぶか！」
「いや！！うんがい鏡ありますし、それで…！ぜひ！！」
止める私に構わず、エンマさんが私を抱き上げた。
「しっかり捕まってろよ？」
「聞いていましたかっ！？エンマさん！！」
「おう！聞いてねぇぞ！」
エンマさんは私を横抱きし、飛んだ。
結構スピードも出ているし、落とされるのは本当に恐怖なので、勢いでエンマさんの首元にしがみついた。
「A、苦しい」
「…これは突然エンマさんが抱き上げて飛んだせいです！！」
「ははっ、Aはビビりだもんな」
なぜか楽しそうに笑うエンマさん。
私は絶対に下は見なかった。見たらきっと気絶するだろうから。
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岸 - yuiさん» yui様、好きと言っていただけて、こちらもきゅんきゅんしております( ´ ▽ ` )これから、もっとキュンキュンさせられるように頑張りますね！コメントありがとうございます(^^) (2022年8月4日 20時) (
レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
岸 - GHJさん» GHJ様、素敵なコメントをありがとうございます！返信が途方もなく遅くなってしまい、申し訳ございません…！これから再開していきますので、よろしくお願いします(*^^*) (2022年8月4日 20時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
岸 - 花音さん» 花音様、お返事が遅くなってしまい申し訳ございません。そう言っていただけて光栄です(^^)またぼちぼち再開していきますので、よろしくお願いします！ (2022年8月4日 20時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
yui - めっっっちゃ好きですこの話...凄いキュンキュンして、一人で悶えてます...... 執筆お疲れ様でした♪ (2022年1月22日 15時) (レス) @page20 id: 091807da6e (このIDを非表示/違反報告)
GHJ - 読んでいると楽しくなりすぎてもう全て読み終わっちゃいました＞＜続き楽しみにしてます！ (2021年12月5日 20時) (レス) @page20 id: 0fb369d062 (このIDを非表示/違反報告)
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