ミケさんと勘違い。 ページ2
「ミケさんただいま」
「ああ、おかえり」
私にはお父さんがいない。お母さんもいない。私は小さいときにこの家の玄関に捨てられていたそうだ。
ミケさんはそんな私を拾って育ててくれた命の恩人だ。
「飯なら出来てるから好きなタイミングで食べるといい」
「ありがとうございます！」
寡黙なミケさんはあまり私に接触してこない。私が話したいことがあれば聞いてくれるし、お買い物に行きたいと言えば連れていってくれる。
でも、それだけ……それから先には進まない。
何故こんなにもミケさんのことを気にしているのかというと、私はミケさんのことが好きなのだ。
初めはきっと、親とか兄弟を好きになるようなそんな感覚だった。ただの家族愛だった。
それが、買い物に出た先で歩幅の小さな私に合わせて歩いてくれる時やお風呂上がりに上半身裸で歩き回る姿や何気なく私の匂いを嗅いでくるところ。
その全てが私のミケさんへの想いを家族から一人の男の人へと変化させた。好き、ミケさんのことが好き。どうしようもない程に……好き。
だからもっと、もっと関わりたいと思うのはいけないことだろうか。
「ねぇ、A！好きな人いないの？」
「ぶっ！？……ちょ、ミーナやめてよ急に」
「その慌てっぷりは、さてはいるな」
誰ですかー？と笑顔で近付いてきたサシャ。教室中の視線がこちらに集まってる気がして恥ずかしくなってきた。
「この教室にいるんですか？」
「いないよ！」
「ホントかなー？」
ホントだもん。だって私が好きなのは同じ高校の生徒でもなんでもなく、一緒に暮らしているミケさんだもん。
「でも、困りましたね。今度の合コン、Aも頭数に入れていたのに」
「え、なにそれ！勝手に……」
「美味しいもの食べられると思ってつい、えへへ。ミーナも行くんですよね！」
きゃっきゃと騒ぐ二人を見ながら、ため息をつく。合コンか、よくやるよ。知らない人ばっかりだろうに……。
そういえば、来週ってミケさんのお誕生日だ。合コンに参加できない代わりにサシャとミーナに何かおごろう。プレゼント買いに行くついでに。
「ねぇ、今日の放課後ってあいてる？」
その誘いがあんなことになるなんてその時の私にはわからなかった。
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宇治銀時(プロフ) - 可愛い後輩ちゃんさん» コメントありがとうございます！ハンジさん良いですよね。短編作ろうとしたときに真っ先にハンジさん書いてました(笑)かっこいいし、可愛いし。喜んでいただけて嬉しいです！ (2022年3月28日 19時) (
レス) id: 7eec906a71 (このIDを非表示/違反報告)
可愛い後輩ちゃん - 〜、！！好きです！！ハンジ担としては一話目からハンジさんなのが嬉しすぎて😭 (2022年3月28日 18時) (レス) id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
宇治銀時(プロフ) - 蠱闇さん» コメントありがとうございます！頑張ります。(*ﾟ▽ﾟ)ﾉ (2022年3月22日 20時) (レス) id: 7eec906a71 (このIDを非表示/違反報告)
蠱闇(プロフ) - めちゃくちゃ良きです！特にミケさんの話が最高です🥺 応援してます！ (2022年3月22日 2時) (レス) @page14 id: cc664d8487 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宇治銀時 | 作成日時：2022年3月21日 22時
